[2022_08_03_09]福島第1処理水 放出トンネル着工へ 福島県・町が東電に了解(茨城新聞2022年8月3日)
 
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福島第1処理水 放出トンネル着工へ 福島県・町が東電に了解

 
 ■大井川知事「万全の措置を」、茨城漁連「了解と別」
 
 東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の処理水海洋放出計画で、福島県の内堀雅雄知事と吉田淳大熊町長、伊沢史朗双葉町長は2日、県庁で東電の小早川智明社長に会い、海底トンネルなど放出設備の本体工事開始を了解するとの回答書を手渡した。政府と東電は来年春ごろの放出開始を目指し、近く工事に踏み切るが、漁業団体など関係者の理解を取り付けるのは難航必至だ。
 茨城県の大井川和彦知事は同日、「関連設備の設置については、安全確保に万全の措置を講じてもらいたい」と東電に注文した。政府には「東電の指導、監督を強くお願いしたい」とコメントを出した。
 処理水の海洋放出による風評被害を念頭に、「今なお県内の漁業関係者から厳しい意見が出されている」と改めて指摘し、東電と政府に対して「関係者への丁寧な説明を行い、意見に対する具体的な対応をお願いしたい」と求めた。
 同計画に対し、風評被害の観点などから、これまで一貫して反対している茨城沿海地区漁業協同組合連合会(飛田正美会長)の吉田彰宏専務理事は「(工事了解の)詳しい内容を確認できていない」とした上で、「工事の了解と処理水を海洋放出することは別問題と捉えている」との考えを示した。
 一方、東電は「工事は安全最優先で行い、状況を適時お伝えする。福島県知事や町長から要望を受けた(処理水の発生源となる)汚染水発生量のさらなる低減や、放射性廃棄物の適切な管理などにも着実に取り組む。社会の皆さまに科学的根拠に基づく情報を分かりやすく発信し、懸念や意見を伺う」などとコメントした。
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