[2022_08_01_04] 関西電力の旧経営陣3人「起訴相当」…役員報酬など補填で特別背任容疑 (読売新聞2022年8月1日)
 
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関西電力の旧経営陣3人「起訴相当」…役員報酬など補填で特別背任容疑

 関西電力元役員らによる金品受領問題に端を発した一連の問題で、大阪第2検察審査会は1日、会社法の特別背任や収賄などの容疑で告発され、大阪地検特捜部が不起訴とした旧経営陣9人のうち、役員報酬を補てん(ほてん) したなどとする特別背任容疑について、森詳介・元会長(81)、八木誠・元会長(72)、岩根茂樹・元社長(69)を「起訴相当」と議決したと公表した。7月7日付。
 議決を受け、特捜部は改めて捜査する。起訴相当とされた3人については、再び不起訴とした場合でも、2回目の審査で審査員11人中8人以上が起訴を求めれば強制起訴される。
 工事発注の見返りに金品を受け取ったとの会社法上の収賄容疑などその他の容疑については、いずれも「不起訴不当」とした。
 関電の社内調査などでは、八木氏ら83人は、原発がある福井県高浜町の元助役(死去)から現金や小判など総額3億7000万円相当の金品を受領した。また、東日本大震災の業績悪化で役員報酬が減額された18人に「嘱託」などの業務の報酬として計約2億6000万円が支払われていた。
 市民団体は▽工事発注の見返りに金品を受け取った▽嘱託報酬を装って減額分を補填し、関電に損害を与えた――などとして計六つの容疑で告発した。
 特捜部は昨年11月、金品受領については元助役の死亡で、収賄罪の成立に必要な「不正の働きかけ」が認定できないと判断。報酬も業務に実態がなかったとは言えないとして、全員を不起訴(嫌疑不十分)とした。市民団体は今年1月、検審に申し立てていた。

 ◆検察審査会= 検察の不起訴について、20歳以上の有権者からくじで選ばれた11人が審査する。議決は、8人以上が起訴を求める「起訴相当」、過半数が再捜査を促す「不起訴不当」、過半数が不起訴を妥当とする「不起訴相当」の3種類。起訴相当が2度議決されると強制起訴される。不起訴不当の場合、再捜査で不起訴が維持されれば手続きは終了する。
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