[2022_07_22_01]「規制が負けることはない」と原子力規制委の更田氏 原発最大限活用の政府方針にも安全性追求の姿勢崩さず(東京新聞2022年7月22日)
 
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「規制が負けることはない」と原子力規制委の更田氏 原発最大限活用の政府方針にも安全性追求の姿勢崩さず

 電力需給の逼迫を受けて政府が原発の「最大限活用」を打ち出したことに、原子力規制委員会の更田豊志委員長は22日の記者会見で「推進側のニーズがいくら強くても、規制が負けることはありえない」と述べ、電力各社に安全性を高める対策を徹底させる姿勢は崩さないと強調した。
 更田氏は「東京電力福島第一原発事故の反省で最も強いのは推進と規制の分離だ」とした上で、政府方針について「推進側の状況がどうなろうと、われわれが決めたレベルの安全性を求める姿勢は変わらない」とはっきり言い切った。
 政府や電力会社に対し「ニーズが高いからとか、利益になるとか。安全はそういうものじゃないでしょう。一度事故が起きたらどうなるのか、日本中が身をもって思い知ったはずだ」と苦言。「電力需給について推進側が役割を果たそうとするのは理解するが、それに規制や事業者の安全への営みが影響を受けることは、決してあってはならない」とくぎを刺した。
 福島事故後に対策が強化された新規制基準に適合し再稼働済みの原発10基のうち、今冬に9基が稼働する見通し。岸田文雄首相は14日の記者会見で、既定路線の9基稼働をあえて「指示した」と述べ、原発活用をアピールした。(小野沢健太)
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