[2022_04_13_01]福島第一原発の処理水海洋放出決定から1年 漁業者などから根強い反対の声(テレビユー福島2022年4月13日)
 
参照元
福島第一原発の処理水海洋放出決定から1年 漁業者などから根強い反対の声

 福島第一原発にたまり続ける放射性物質トリチウムを含む処理水の処分方法について、政府が海に放出する方針を決めてから13日で1年です。さらなる風評被害を懸念する漁業者などの反対の声が根強い中、政府と東京電力は、放出の計画を進めています。 
 福島第一原発にたまり続けるトリチウムなどを含む「処理水」。政府と東京電力は、来年の春ごろに処理水を海に放出する計画を進めていますが漁業者などの理解は進んでいません。 
 (全漁連岸宏会長)「我々はこの放出には絶対反対であるということはいささかも変わることはありません」 
 福島第一原発では、原子炉建屋内への地下水の流入などによって放射性物質を含んだ「汚染水」が発生。それを多核種除去設備「アルプス」で、放射性物質の大部分を取り除いたものが「処理水」で、今なお増え続けています。処理水を保管するタンクは、構内におよそ1000基ありますが、来年春にも満杯になる見通しです。政府と東電は、処理水をトリチウムの濃度が基準値未満になるように海水で薄め、来年春ごろに海に放出する方針ですが、1年が経った今でも、国内外の理解や風評対策が、進展したとは言えない状況が続いています。 
 県内漁業は、去年、試験操業を終え、本格操業への移行期間に移り、漁業復興への動きを加速させています。 福島県いわき市で50年以上漁を続ける漁師は…
 (50年以上漁師を続ける太登丸の船長、大平春登さん)「買う人らが嫌がって、同じだっぺ11年前と同じ。原発事故で風評被害がすごかったっぺよ。あれと同じくなるんでねえかなと思う」 
 一方、東京から来た仲買人に東京での反応を聞くと。 
 (東京の仲買人)「いや、悪くないよ。悪くない、そんなにいうほど悪くないよ」 しかし一方で、処理水に対する認識の違いがあると話します。 
 (東京の仲買人)「東京の人たちは処理水じゃなく汚染水っていうからね。表現の仕方が、処理水だからどうこうというのはないと思うよ。流れるまでは。流れてからはどうだかわからないけど」 
 こうしたなか、4月11日、県労連などでつくる団体が海洋放出に反対する署名を呼びかけました。この署名は、コープふくしまなどが去年6月に始めたもので、4月8日現在19万人あまりの署名が集まっています。既に18万人ほどの署名は政府と東電に提出していて海洋放出の方針の転換を求めています。
 (ふくしま復興共同センター野木茂雄事務局長)「理解なしには放出・処分をしないという風に言っていた約束を反故にしているということが大変許せないという思いでいる」
KEY_WORD:汚染水_:FUKU1_: