[2021_11_08_05]経産相来県、サイクル政策で知事と会談(東奥日報2021年11月8日)
 
参照元
経産相来県、サイクル政策で知事と会談

 萩生田光一経済産業相が8日、青森県庁を訪れ、三村申吾知事と会談した。「本県を高レベル放射性廃棄物の最終処分地にしない」とする県と国の確約について、萩生田氏は「引き続き順守する」と強調。核燃料サイクル政策を堅持し、国が前面に立って国民への理解促進活動に努める方針を改めて示した。
 大臣就任後初となる萩生田氏の来県は、10月に閣議決定された「エネルギー基本計画」でサイクル政策の推進が明記されたことを受け、関連施設が集中立地する青森県に対し国の方針を説明することなどが目的。
 萩生田氏はサイクルの中核施設である日本原燃・六ケ所再処理工場やMOX(プルトニウム・ウラン混合酸化物)燃料工場などに触れ「竣工(しゅんこう)や操業に向けた準備を官民一体となって進め、プルサーマルや使用済み燃料対策などを一層推進する」などと話した。
 再処理工場が稼働した場合、高レベル放射性廃液をガラスと混ぜて固めたガラス固化体(高レベル廃棄物)や、放射能レベルが極めて高く地層処分が必要な廃棄物などが発生する。こうした廃棄物も確約に含まれるかと改めて確認した三村知事に対し、萩生田氏は「約束の中には再処理工場から発生するものも当然含まれている」と明言した。
 三村知事は「国の方針に何ら変わりがないことを確認できた。大臣として責任ある回答をいただいた」などと評価した。
 萩生田氏は六ケ所村も訪問。面会した戸田衛村長は、再処理工場が当初予定から20年以上が経過した今も完成に至っていないことに「遅延が(事業)不要の議論につながりかねない」と懸念を述べ、早期の完成を訴えた。プルサーマルの推進やバックエンド(原発の後処理)対策などの一層の取り組みも要請した。
 萩生田氏は再処理工場の安全対策工事などを視察後、報道各社の取材に「稼働していないとの批判は真摯(しんし)に受け止める」と応じた上で、「スピード」ではなく安全性を最優先する考えを示し「原子力規制委員会からの指摘に全て応え最高の安全基準をクリアした施設として整備を進めていく」と語った。
KEY_WORD:ROKKA_: