[2021_10_27_04]核のごみめぐり調査推進派の現職勝利 住民の亀裂は修復されるのか…周辺自治体の動きにも注目 寿都町(北海道文化放送2021年10月27日)
 
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核のごみめぐり調査推進派の現職勝利 住民の亀裂は修復されるのか…周辺自治体の動きにも注目 寿都町

 いわゆる核のごみをめぐりマチを二分する選挙戦が10月26日終わった北海道後志の寿都町。
 推進派の現職が勝利しましたが、住民の亀裂は修復されるのでしょうか。
 「ばんざーい、ばんざーい」
 20年ぶりに行われた寿都町長選。わずか235票差の一騎打ちを制し6回目の当選を果たしたのは現職の片岡春雄さんです。選挙の最大の争点だったのは…"核のごみ"調査継続の是非。
 片岡 春雄 氏:「私が言う"肌感覚"というのは、私の判断が間違っていない。現時点で住民投票は必要ない(2020年10月の発言)」
 2020年10月、原発から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる"核のごみ"の最終処分場選定に向けた文献調査に名乗りを挙げた片岡さん。
 対抗馬は調査の撤回を公約に掲げ、町民に是非を問う戦いとなりましたが、当初から繰り返してきた片岡さんの"肌感覚"が形になりました。
 しかし、得票数はわずか235票差。
 同時に行われた町議の補選では調査に反対する新人の吉野卓寿さんが当選するなど厳しい戦いとなりました。吉野さんの家族は…
 吉野さんの父親:「越前谷さんの意志をついで、息子に徹底的に戦うよう言っていきたい」
 片岡 春雄 氏:「核のごみに対して多くの町民が不安に思う気持ちも、今回の投票結果に表れた。朝起きた時はさわやかというより反省のスタートの一日」
 "反省のスタート"という独特の言い回しで、一夜明けた朝を表現した片岡さん。人口減少や新型コロナで疲弊した町の経済の活性化に向けて、6期目の決意を新たにしました。"核のごみ"については…
 片岡 春雄 氏:「選挙の公約でも住民の意思を尊重する話はしているから、反対が多ければストップだし、もっと調査をしてもいいなら前に進む。知事はいま反対を表明しているのでハードルが出てくると思う」
 次の概要調査に進む際には住民投票を行い、知事と協議する姿勢を明らかにしました。町民は…
 町民:「よかったです。今まで通りにやってくれれば」
 町民:「片岡さんに任せて町政を続けてもらって、"核のごみ"に関しては、最終的には反対してほしい」
 片岡さんの町政運営に期待の声が上がる中、調査には慎重な意見も聞かれました。注目の町長選を周辺の自治体はどう受けとめたのでしょうか。
 "核のごみ"を持ち込ませない"核抜き条例"がある隣町の黒松内町では…
 黒松内町 企画環境課 新川 雅幸 課長:「核のごみは町の方針としては変わらず、引き続き、(調査の)再考を求めたい」
 同じく隣接する島牧村は…
 島牧村 藤澤 克 村長:「次に進むときに住民投票のほかに知事の意見が大きい。知事には(反対の)対応をしっかり続けてほしい」
 一方、寿都町と同じく文献調査が進む神恵内村。高橋村長は10月26日夜、片岡さんの勝利を祝いに駆け付けていました。
 神恵内村 高橋 昌幸 村長:「神恵内は神恵内で進めているので、寿都のこの状況が影響を与えることはない」
 "核のごみ"をめぐり分断した寿都町は再び推進にかじを切りました。調査の是非とともに周辺自治体の動きにも今後、注目が集まりそうです。
KEY_WORD:寿都町_調査応募検討_:神恵内村_文献調査_: