[2020_11_12_07]むつ中間貯蔵 正式合格 使用済み核燃料 最長50年(東奥日報2020年11月12日)
 
 原子力規制委員会は11日の定例会合で、むつ市のリサイクル燃料貯蔵(RFS)が運営する使用済み核燃料中間貯蔵施設の安全対策が、新規制基準に適合すると認める「審査書」を決定した。稼働を前提とする安全審査に正式に合格。中間貯蔵としては原発の敷地外で国内唯一の施設で、RFSは現時点で2021年度の事業開始を見込む。
 中間貯蔵は政府が推進する核燃料サイクル政策の一環。しかし燃料の再利用に不可欠な日本原燃・六ヶ所再処理工場(六ヶ所村)は完工延期が続き、全国の原発で保管中の使用済み核燃料の総量は約1万6千トン(3月末)に上る。
 RFSの施設は空冷式のキャスク(金属容器)に燃料を入れる乾式貯蔵で、RFSに出資する東京電力と日本原子力発電(原電)の計5千トンを最長50年間、保管する計画。一方で六ヶ所再処理工場の操業は40年程度とされる。2社と県、むつ市は「貯蔵期間の終了までに貯蔵施設から搬出する」との協定を結んだが、搬出先など期限を見据えた議論は進まず、現時点では不透明な点が多い。
 RFSは、操業開始後40年目までに搬出について協議するーとの姿勢。規制当局も40年目頃からキャスクの耐用年限を念頭に「輸送の計画として(施設外へ)きちんと払い出されるかを検査で見る」(規制庁担当者)との見解を示した。
 14年1月の審査申請から約6年10カ月が経過。規制委の更日豊志委員長は11日の会見で、RFSを支援する立場の東電と原電は審査を受けた経験が多いとして「(2社の)サポートがあってしかるべきで、それでなお時間がかかったのは残念ではある」と述べた。
 RFS常務の赤坂吉英センター長は部内で報道陣に「21年度めどという(操業開始の)時期を変更する考えは今はない。(工事認可審査の)進捗を見て市と協議したい」と答えた。
 (佐々木大輔、若松清巳)
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