[2020_11_12_08]再処理「ガラス固化進めた分だけ」 規制委員長が見解(東奥日報2020年11月12日)
 
 日本原燃が稼働を目指す六ヶ所再処理工場(六ヶ所村)を巡り、原子力規制委員会の更田豊志委員長は11日の定例会見で「核燃料物質を液体の状態で蓄えてほしくない」とした上で、再処理する量を「ガラス固化を進めた分だけ」との見解を示すなど、稼働後の運用について言及した。
 使用済み核燃料の切断・溶解など再処理する過程で、極めて強い放射線を出す廃液が生じるため、ガラスと混ぜて高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)として固める。原燃はアクティブ試験(最終試運転)の一環で2007年に固化試験に着手したが、トラブルや不具合が続発。増田尚宏社長は「22年度上期」を見込む完工の前に、再びガラス固化の工程で動作確認する意向を示している。
 会見で更田委員長は「高レベル廃液を安全に管理することは可能だが、固体に比べれば不安定な状態」と指摘。合格を認めた安全審査では、廃液が冷却機能を失って沸騰し、大量の放射性物質を拡散する恐れのある事故への対策を念入りに議論した経緯がある。
 再処理の運用について「ガラス固化を進めた分だけ切断・溶解するという進め方がある。安全上の観点から関心を持っている」と言及。原燃にはアクティブ試験で生じた溶液が「まだ随分ある」とし、「まずはあれを固めることになるだろう」とも述べた。
    (佐々木大輔)
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