[2020_09_13_01]福島第1 防潮堤増強 東電検討 最高15メートル 厚さ5メートル(東奥日報2020年9月13日)
 日本海溝沿いで起きる巨大地震に伴う津波に備え、東京電力が福島第1原発に防潮堤の新設を検討していることが12日、開係者への取材で分かった。津波が1〜4号機の海側に建設中の海抜11メートルの防潮堤を超える恐れがあり、約13〜15メートル、厚さ5メートルに増強する。2023年度の完成を目指す。
 内閣府の有識者会議が4月に公表した津波想定を受けた対応。東電の解析では、1〜4号機の海側に最高で14・1メートルの津波が来襲し、1メートル以上浸水する結果が出た。
 東電は原発事故後、日本海溝の外側で起こる「アウターライズ地震」に備え、4号機東南側に海抜12・7メートルの仮設防潮堤を設置。さらに千島海溝沿いの巨大地震に伴う津波を想定し、海抜11メートル、厚さ20センチ、全長約600メートルの防潮堤を建設している。
 新設計画は2段階で、まず建設中の防潮堤を補強するため、海側に同じ高さで厚さ5メートルの防潮堤を造る。11メートルを超える津波が来襲しても被害を最小限に抑えるのが狙いで、20年度中に完成させる。その後に補強した部分を高くし、23年度までに約13〜15メートルにする。新設した防潮堤は道路としても使う。
 内閣府有識者会議は、三陸沖から日高沖の日本海溝沿いでマグニチュード(M)9クラスの巨大地震が起きた場合の津波を想定。第1原発の浸水状況などは示されなかったが、非公表の素案では東日本大震災と同程度の13・7メートルの津波が襲来し、1〜4号機の敷地が最大3・3メートル浸水するとしていた。
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