[2020_06_04_02]使用済み核燃料再処理工場 安全審査「努力しないと数年」規制委委員長が長期化示唆(毎日新聞2020年6月4日)
 
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使用済み核燃料再処理工場 安全審査「努力しないと数年」規制委委員長が長期化示唆

 日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の安全審査について、原子力規制委員会の更田(ふけた)豊志委員長は3日の定例記者会見で「原燃と規制委双方が努力しないと数年オーダー」と述べ、審査次第で長期化する可能性があるとの考えを示した。順調に進んでも1年かかるといい、日本原燃が2021年4〜9月の予定としている完成時期には間に合わない見通しになった。
 規制委は5月、国の新規制基準を事実上満たしていると判断し、夏にも正式に認める方針。しかし、今後も詳細な設計や工事計画の審査が必要で、建設工事と並行して審査が進む。その後、機器が設計通り動くかといった検査を経て完成となる。
 日本原燃は今後の審査に向け、秋ごろに規制委へ追加書類を提出する方針を示している。規制委によると、審査の対象になる再処理工場の機器は原発より多く、高濃度の放射性廃液のタンクや冷却設備など1万点を超えるという。
 規制委の審査担当者の人数も限られる。更田氏は「(今後の審査は)本当に地道な事実確認。どう効率的に進めるか、原燃とのコミュニケーションをきちんと図っていく」と話した。
 再処理工場は、全国の原発で使い終わった核燃料からプルトニウムなどを取り出して再利用するために建設されている日本で唯一の施設。【荒木涼子】
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