[2020_04_22_02]岩手 最大津波30メートル想定 日本・千島海溝M9 32市町村庁浸水(読売新聞2020年4月22日)
 内閣府の有識者検討会は21日、日本海溝・千島海溝沿いの北海道沖から岩手県沖で巨大地震が起きた場合、最大30メートル近い津波が到達するとの想定を発表した。少なくとも北海道、青森県など4道県32市町村の庁舎が浸水し、発電所や鉄道なども被害を受ける恐れがある。
 検討会では、日本海溝(三陸・日高沖)と千島海溝(十勝・根室沖)での二つの巨大地震を想定。地震の規模はそれぞれマグニチュード(M)9・1、M9・3と推定した。太平洋側の7道県(北海道〜千葉県)を対象に地震による津波を分析し、岩手県宮古市で29・7メートル、北海道えりも町で27・9メートルなどとなった。
 北海道釧路市役所では地震発生の34分後に高さ5・9メートルまで水没。青森市では、1・1メートル浸水する市役所に加え、対象範囲の道県庁で唯一、県庁も1・7メートルまで水につかる見込みだ。岩手県内の詳細は「震災復興に影響しかねない」とする県の要請で公表が見送られた。
 今回の震源域では、推定で数百年ごとに巨大地震が起きており、検討会は前回(17世紀)の発生からの経過時間を踏まえ、「切迫性が高い」と指摘した。内閣府は今年度中にも人的被害や経済への影響の想定を取りまとめる。
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