[2020_02_05_07]原発30キロ圏にヨウ素剤事前配布は必要なのか 小泉環境相方針に規制委が反論(毎日新聞2020年2月5日)
 
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原発30キロ圏にヨウ素剤事前配布は必要なのか 小泉環境相方針に規制委が反論

 原子力規制委員会の更田(ふけた)豊志委員長は5日、安定ヨウ素剤の事前配布に関し「(原発から30キロ圏の住民には)緊急時の方が服用をお願いするタイミングとしては伝えやすい」と述べ、避難時の配布や服用が有効とする規制委の姿勢を改めて示した。
 原発事故で放射性ヨウ素を吸い込むと、甲状腺にたまり、がんを引き起こす恐れがある。ヨウ素剤の事前服用で予防が期待されている。そのため、原子力災害の対策を示した国の指針は、ヨウ素剤を原発の5キロ圏内の住民に事前配布することを定めている。
 一方、30キロ圏の住民に事前配布を望む声があり、小泉進次郎・原子力防災担当相が30キロ圏の住民に事前配布するよう、関係する24道府県に要請していた。
 更田氏は、この日の定例記者会見で「効果は24時間で切れるので、服用(のタイミング)が難しい。慌てて飲むと本当に必要な時に効果がないことになる」と指摘。小泉氏の要請は指針に反しないとしながら「大事なのは、40歳未満や妊娠中の人、原発近くの住民など必要性の高い人に届くことだ」と述べ、冷静な対応を求めた。【荒木涼子】

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