[2018_12_05_01]県技術委、柏崎原発周辺の断層視察 刈羽 活動性検討で(新潟日報2018年12月5日)
 
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県技術委、柏崎原発周辺の断層視察 刈羽 活動性検討で

 東京電力柏崎刈羽原発の安全性を議論する県技術委員会の委員を務める立石雅昭・新潟大名誉教授(地質学)と山崎晴雄・首都大学東京名誉教授(地理学)は4日、同原発から北東約2キロの刈羽村にあり、東電が原発周辺の断層の活動性を評価するために掘削した「寺尾トレンチ」と呼ばれる断層面の露頭を視察した。両氏は東電の調査結果に一定の理解を示しつつ、立石氏は課題も挙げた。
 寺尾トレンチは、柏崎刈羽原発6、7号機を巡る原子力規制委員会の適合性審査で、東電が断層を調べるために掘削。20万年前の地層などを確認できる。昨年審査に合格し、東電が埋め戻す方針を示したため、県技術委の要請で視察した。
 立石氏と山崎氏は、山の傾斜面が幅50メートル、高さ10メートルにわたり削られ、断層があらわになった現場や、ボーリング調査で得られた地質試料を入念に調査した。東電に詳しい説明を求める場面もあった。
 東電は寺尾トレンチの断層について「地滑り性の断層」と位置付け、「地下深部につながる断層ではなく、震源として考慮する活断層ではない」と評価。規制委も東電の主張を認めた。
 視察を終えた立石氏は「(東電の)解釈も妥当だが、地質の解釈は一筋縄にはいかず、割り切ってしまっていいのかという課題はある」と指摘した。その上で「今後、技術委で断層の活動性についてさらに議論したい」と話した。

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