[2018_08_16_01]辺野古断層「極めて危険」 2万年前以降活動 今後動く可能性大(琉球新報2018年8月16日)
 
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辺野古断層「極めて危険」 2万年前以降活動 今後動く可能性大

 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、埋め立て予定地に存在が指摘されている活断層が2万年前かそれより新しい時期に動いたもので、今後動く可能性が高い断層であることが分かった。東北大講師の遅沢壮一氏が実施した調査により、2万年前かそれより新しい時期に繰り返し活動した「極めて危険な活断層」と判断された。県が7月31日に防衛局に出した聴聞通知書に添付されている「不利益処分の原因となる事実」でも触れられており、新基地が建設された場合の危険性が改めて浮き彫りになった。
 これまで新基地建設予定地近くの陸上部に「辺野古断層」と「楚久断層」という2本の断層が存在することが指摘されてきた。その断層の延長線が交差する所に、断層によると考えられる深さ約60メートル以上の落ち込みが確認されている。
 琉球大の加藤祐三名誉教授は、この海底の落ち込みは数十万年前かそれより新しい時期に動いた活断層である可能性を指摘していた。遅沢氏の調査では、この海底の落ち込みは「辺野古断層」と認定された。
 土木技術者の北上田毅氏は「原子力規制委員会は、将来活動する可能性の高い断層を約12万〜13万年前かそれより新しい時期に動いたものと認定している。そのような断層が存在すれば、原子力発電所は建設できないとしている」と指摘。「原発でも建設できる基準が『十数万年前』だ。『2万年前』の活断層の上に基地を建設するのはとても危険だ」と強調した。
 沖縄防衛局は2017年に海底資源調査船ポセイドンで二つの断層周辺を調査したが、活断層の存在は認めていない。(嶋岡すみれ)

■「2万年」は昨日
 加藤祐三琉球大名誉教授の話 辺野古新基地の埋め立て予定地に活断層があり、それが数十万年前かそれより新しい時期に動いたものであることは以前から指摘していた。今回その活断層が2万年前以降に動いたものであるとされた。地質学的には2万年前の断層というのは非常に新しい断層で、つい昨日動いたようなものだ。年代が若ければ若いほど活発な証拠で、これから先も動く可能性が高い。
 この断層は2万年前かそれより新しい時期に繰り返し活動してきたはずで、今後もいつ再び動くか分からない状態だ。その上に新基地を建設することが非常に危険なことは言うまでもない。 (防災地質学)

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