[2018_08_14_01]辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録 今回の県の辺野古埋立承認の「撤回」理由には、活断層についても新しい事実が! ---「大浦湾の海底谷地形は、2万年前以降に繰り返し活動した極めて危険な活断層」(チョイさんの沖縄日記2018年8月14日)
 
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辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録 今回の県の辺野古埋立承認の「撤回」理由には、活断層についても新しい事実が! ---「大浦湾の海底谷地形は、2万年前以降に繰り返し活動した極めて危険な活断層」

 今回の翁長知事の埋立承認撤回表明は、大浦湾の軟弱地盤が最も大きな理由となっている。ただ、あまり取り上げられてはいないが、活断層の問題についても新たな事実が指摘されているので説明しておきたい。
 知事が防衛局に出した埋立承認「撤回」のための「聴聞通知書」には、「不利益処分の原因となる事実」という文書が添付されている。「撤回」の理由を列記したものだ。
 そこでは、「活断層」について、次のように指摘している(2頁)。
「埋立区域付近の陸上には、辺野古断層という活断層が存在することが文献において示されていたものであるが(遅沢壮一=渡邊康志『名護・やんばるの地質』、辺野古断層を海に延長していくと、その延長上の海底に谷地形または谷側壁の急斜面が延びていることが認められる---加藤祐三琉球大学名誉教授から埋立対象区域の上記海底谷地形は活断層の位置を示していると推定されるとの指摘がなされた」
「遅沢壮一氏(『名護・やんばるの地質』の著者)によれば、本件承認処分後の土質調査における音波探査調査及びボーリング調査のデータを検討し、上記海底谷地形は辺野古断層であると認められるとの判断を示し、同断層は2万年前に以降に繰り返し活動した、極めて危険な活断層であると指摘している」
 この遅沢壮一氏の指摘は、今回、始めて明かになったものだが、とりわけ重要な意味を持っている。
 防衛局は、上の地層断面図の大浦湾の60mもの落込みを「断層によると考えられる」と認めていた。加藤琉球大学名誉教授らは、上図青色部分の琉球層群の落込みについて、「数十万年前に動いたものであり、活断層の疑いが強い」と言われている。さらに、上図黄色部分の「沖積層も10m以上、切れているように見える」と指摘されていた。もし、沖積層が切れているのであれば、1万年ほど前に動いたものであるから、「活断層中の活断層だ」と言われていたのである。
 活断層の認定基準については、数十万年前以降に活動したもの、あるいは、160万年前のもの等、様々な見解がある。原子力発電所の建設に際しては、「12万〜13万年前以降の活動が否定できないものとし、必要な場合は約40万年前以降まで遡って活動性を評価する」とされている(原子力規制委員会)。
 遅沢氏は今回、防衛局が出した調査データーをさらに検証し、この断層は「2万年前に以降に繰り返し活動した、極めて危険な活断層」であるという意見書を提出されたのだ。
 国は、この指摘を謙虚に受け止め、活断層の上への新基地建設計画を断念しなければならない。

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