[2017_04_13_03]事故リスクも使用済み核燃料行き場なしも続くのに九州電力は玄海原発まで動かすつもり 4/5九州電力東京支社への申入れ報告 木村雅英(「再稼働阻止全国ネットワーク」事務局)(たんぽぽ舎メルマガ2017年4月13日)
 
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事故リスクも使用済み核燃料行き場なしも続くのに九州電力は玄海原発まで動かすつもり 4/5九州電力東京支社への申入れ報告 木村雅英(「再稼働阻止全国ネットワーク」事務局)

 4月5日(水)17時に、3人で電気ビルディング7階の九電東京支社応接室に入り、九電東京支社業務推進グループの2人と面会し、「再稼働阻止全国ネットワーク」と「反原発自治体議員・市民連盟」から抗議・質問書を提出した。
 まず、前日に本店から私に直接電話があり、2月の質問1(耐震対策がズサン)について口頭で回答をいただいた(中味は原子力規制委の主張と同じ)礼を述べ、できれば文書で回答をいただきたいと述べ、未回答質問への追加回答を念押し依頼した。
 続いて、「再稼働阻止全国ネットワーク」から抗議・質問書「川内を止めろ・限界を動かすな」を読み上げて提出。
 続いて「反原発自治体議員・市民連盟」からの「原発事故に備えて、どのくらいの金額を用意して」いるかを問う追加質問書を武笠さんが読み上げて提出した。
 その後30分近く次のような質疑応答をした。残念ながら、原子力規制委員会の優等生である九州電力は玄海原発の稼働にも自信を持っているようで、ゆとりが感じられた。玄海原発再稼働を止めるように訴えたが…。

○免震重要棟について
 九電としては、「福島第一原発事故を踏まえて免震棟を建てようとしていたが、ある段階で上がった基準地震動に耐えられないことが分かり、耐震に変えた。」
 「最初から分かっていたのではないか、規制委と九電で密約をしたのではないか」と問うたが、九電は否定した。
 こちらからは、免震重要棟は昨年3月に仕上げる予定を着工もしていないで再稼働したことで規制委と九電を責めた。
 東京電力トップが「あれ(免震重要棟)がなかったらと考えるとぞっとする」と話した免震重要棟がなくて「本当に大丈夫か」と尋ねたところ、「緊急時対策所内では総ての機器を固定し人はつかまる支えを用意するから大丈夫」と話す。
 普段使っていない緊急時対策所がいざという時に本当に使えるかも疑問だ。福島第一原発事故時の免震重要棟への地震がどれだけだったか、それをどのように評価しているかは答えなかった。免震重要棟の場合に一度大地震が来ると土台のゴムが駄目になる可能性があることも認めた。
 耐震棟の為の工事をしていると言うので、突き詰めたら敷地の整備しているだけで完成には3年以上かかるという。免震重要棟予定地の整備と同じで敷地整備だけして建築はしないのではないか?

○玄海の「リラッキング」(注)について
 原子力規制委が今「リラッキング」の検討チームを立ち上げたことについて、結果を期待しているのかと尋ねたところ、それと別で新規制基準ができる前に玄海の「リラッキング」を申請したので申請を出し直さないといけない、規制委員長が乾式キャスクの話をしているので「リラッキング」と「乾式キャスク」と両にらみで検討しているそう。2カ月前には「リラッキング」しか考えていないと話していたが?

○プルサーマル発電について
 原料が高い、使用済みMOX燃料は再処理しないことを認め、核燃料サイクルについては国の方針が変わったら九電も変わると述べた。

○ヨウ素剤配布について
 九電は関知せず、国と自治体任せであることと前から答えているが、既に稼働している川内原発周辺住民にも配布できていない。
 深層防護の観点で心配ではないか、自治体にお願いしないか?と尋ねたところ、沈思して九電からは自治体任せとの応答。

○エネルギー需給について
 種子島で自然エネルギーの出力調整をしていることについて尋ねたところ、電気が余るとトラブルが起こる、蓄電できないからとの回答。
 また揚水発電は原発の電力ではなくLNGで発電と主張。

○川内原発でヨウ素濃度アップについて
 燃料棒の機密性が保てなくなったからと推測して監視を続けている、事故にはつながらないハズとの回答。

○玄海原発周辺の白血病多発について
 遺伝性との説があると九電は逃げた。

(注)「リラッキング」
デジタル大辞泉の解説 リラッキング(reracking)
 原子力発電所で、使用済み燃料の貯蔵能力を増強するために、使用済み燃料プール内で核燃料を貯蔵するラックの間隔を狭くして収納密度を高めること。

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