[2011_10_09_01]東通原発近くの内陸部まで 千年で5回大津波か 北大調査(東奥日報2011年10月9日)
 東北電力東通原発がある東通村で、海岸線から約1・3キロ内陸の地点まで、過去約千年間で少なくとも5回の大津波が来たことを示す地層が見つかったとする調査結果を、北海道大の平川一臣特任教授が8日までにまとめた。
 東通村では営業運転している東北電力東通原発1号機(定期検査中)のほか、建設中や計画中の原発3基がある。見つかった地層の東通原発からの距離は約6キロで、標高約5メートルの場所。建設時に東北電力が想定してきた津波の高さは6・5メートルだが、同社は実際に地層を掘削する津波の調査はしておらず、今回の発見は論議を呼びそうだ。
 平川特任教授によると、調査は7月中旬に東通村の小田野沢地区で実施。947年に朝鮮半島の白頭山が噴火した火山灰の層の上に、津波によるとみられる堆積物の砂の層を五つ確認した。火山灰層の下にも1層あったという。
 津波を起こした地震などの詳細は分かっていないが、平川特任教授は「1611年の慶長三陸地震などが考えられる」としている。
 慶長三陸地震では北海道でも津波被害が発生。また、ほかにも北海道沖を震源として500年間隔で地震があり、東北から北海道まで広範囲に大津波が押し寄せた可能性もある。ただ現在まで十分な調査が進んでいないという。
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