[1997_10_13_05]反原発運動マップ_大分県蒲江町_蒲江原発計画_河野近子●脱原発大分ネットワーク_p218-219(緑風出版1997年10月13日)
 
参照元
反原発運動マップ_大分県蒲江町_蒲江原発計画_河野近子●脱原発大分ネットワーク_p218-219

 1994年3月18日、大分県南部、宮崎県との県境に位置する蒲江町の町議会において、原発建設反対が全会一致で議決されました。同町は、40年ほど前にも原発の侯補地として名前が挙がったことがあり、そのときには、高山という地区でボーリング調査までされていました。しかし、当時も住民の間に強い反対運動が起こり、いったんは立ち消えになった経緯があります。
 その後も、蒲江町に原発が来るのではないかとの噂は断続的につづき、九州電力の社長が太平洋岸に同社で三番目の原発を立地したいと発表したときから、県民の間に、蒲江が狙われているのではないかとの不安がひろがっていました。92年2月に宮崎県串間市の名前が候補地として挙がった後も、蒲江も同時に狙われているとする見方が根強く、原発に反対する各グループが、それぞれ独自の動きをつづけて今日に至っています。
 私たち「脱原発大分ネットワーク」も、大分県民や蒲江町民に働きかけ、学習会や講演会などを重ねながら、原発の危険性や、地域の活性化につながらない点などを訴えつづけてきました。そのような反原発の思いをもつ多くの人々やグループの長年の努力が実を結び、今回、蒲江町議会あげての原発建設反対決議という快挙を成し速げることができたものと、たいへんうれしく受け止めています。
 この決議は、「その安全性において、国外あるいは国内における原子力発電所の事故あるいは廃棄物処理等、絶対的な信頼があると判断されません」とした上で、「本町あるいは近隣市町村に原子力発電所を建設する事は全体反対であり、この意思をここに明確に宜言する」とした画期的なものです。

[蒲江町]
 面積91・76平方キロメートル、人口1万0570人(1996年3月末現在)。農林漁業が主体。日豊海岸国定公園の中心地として、サンゴ礁などの観光資源にも恵まれている。
KEY_WORD:蒲江_原発計画_: