[1933_03_03_02]今暁の強震について 三陸沿岸に津浪襲来 家屋の流失倒壊多数(東京朝日新聞 号外1933年3月3日)
 
※以下は地震関連の見出しと重要と思われる部分をテキスト化したものである

○今暁の強震について 三陸沿岸に津浪襲来 家屋の流失倒壊多数
 今暁三時三十二分関東、東北一帯を襲った強震は各地とも甚だしい所で時計の振子が止り壁に亀裂を生ずる程度であったが、東北地方は余震が断続的にあると同時に震源地が福島県石城郡塩屋崎沖合でその性質が明治二十九年六月十五日に三陸地方を襲った地震と同じような状況にあり、中央気象台でも同年同地方に大津波の惨禍のあつた前例にきざし同地方に大津波の襲来あるやも知れずと同地方の測候所その他からの情報収集に努めていたところ午前四時半頃に至り、岩手県釜石地方では火を発して約三百戸を全焼、一千余戸を流出したのを初め牡鹿半島の鮎川、女川さらに北方の志津川湾に沿う志津川町、同県の北端岩手県堺に近い気仙沼地方、岩手県の釜石、宮古方面、青森県の八戸に至る沿岸一帯にわたり大小津浪が襲来家屋倒壊、流出または家財道具をさらはるる等被害甚大の見込である、殊に深夜の事で一帯の住民は極度の恐怖に襲われ警鐘を乱打して高地へ高地へと避難するという稀有の混乱を呈し、目下の所死傷者は判明せざるも多数ある見込、大津浪の惨状は実に三十八年振りである
○一千余戸押流され 三百戸焼失、延焼中 水火に攻めらるる釜石
○各警察の応援隊 釜石町に急行 宮古付近で二百戸倒壊
○五名行方不明 岩手県南部沿岸地方 電信電話不通となる
○落石岬沖で大海震 平安丸の無電
○電信電話の不通個所
○高田町にも火災 通信機関不通で不明
○宮古橋流失 町民は山に避難

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