【記事51920】日立市住民説明会、避難先に福島想定 東海第2重大事故、自家用車で常磐道利用(茨城新聞2017年2月19日)
 
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日立市住民説明会、避難先に福島想定 東海第2重大事故、自家用車で常磐道利用

 東海村にある日本原子力発電東海第2発電所の重大事故発生を想定し、広域避難計画の策定を進める日立市は18日、同計画の基本方針や避難計画案を伝える住民説明会を開いた。同市は市内全域が福島県への避難を想定。自家用車による高速道利用を基本としており、避難先でもコミュニティーを維持したい考えだ。市は同県17市町村との協議を始めており、24日までに計7カ所で説明会を開き、市民の意見などを素案作りに生かしていく。
 同市南部地域は東海第2原発から半径5キロ圏内の予防防護措置区域(PAZ)で、市全域が半径30キロ圏内の緊急防護措置区域(UPZ)に入る。基本方針では全市民約18万3千人が福島県内の17市町村(収容規模約20万人)へ自家用車による避難を想定。避難後も安心して生活できるように、地域コミュニティーの維持に配慮する。
 主な避難経路は常磐道の日立南太田、日立中央、日立北、高萩の4インターチェンジ(IC)と、道路規格が高く被害を受けにくい幹線道路を選定。PAZの大みか町以南の住民は日立南太田ICから北上。山側エリアは国道6号から日立中央と日立北ICへ、海側エリアは国道245号を通り国道6号日立バイパスを経由して日立北ICへ、さらに鞍掛山から常磐道山側エリアは県道日立いわき線-日立北IC、日立北IC以北の山側エリアは日立いわき線-高萩ICへ向かう。西部の中里地区と十王地区(高原・黒坂)は国道349号を通って東北自動車道へ進む。
 広域避難の指示後はなるべく乗り合わせて避難経路を通り、小学校区ごとに定められた避難先へ向かう。バスでの集団避難は学区ごとに定められた一時集合場所に移動し、行政が用意するバスで避難。社会福祉施設の入所者はバスや福祉車両、自衛隊車両などで県内の同様の施設へ、病院の入院患者は福島県内の病院に避難する。
 市内のPAZの坂下、久慈、大みか地区では放射性物質の放出前に予防的に広域避難を指示し、UPZの住民には事故の進展や原子力災害の状況によって広域避難の指示を行う。
 豊浦交流センターで18日に開かれた説明会で、住民から「風向きによって避難先が変わるのでは」「複合災害になった場合など計画通りにいくのか」「日常的に渋滞しているのに速やかな避難が可能なのか」などの意見が出された。 (飯田勉)

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