[2015_06_25_02]「地震隆起否定は不適切」 北電・泊原発の審査 規制委有識者が批判(東奥日報2015年6月25日)
 原子力規制委員会が5月の審査会合で、北海道電力泊原発の周辺が過去の大地震で隆起した説を退けたことについて、規制委の有識者断層調査団メンバー2人が「地震性隆起の可能性は否定できない。明らかに不適切」と批判する論文を、25日発売の月刊誌「科学」7月号(岩波書店)で発表する。
 著者は渡辺満久東洋大教授と鈴木康弘名古屋大教授で、地形分析から断層の存在などを推定する変動地形学が専門。規制委の委託を受ける有識者による異例の批判は波紋を呼びそうだ。
 北海道電は「原発周辺を隆起させる活断層はなく、広域的に緩やかに隆起しているとみられる」と地震性隆起を否定。規制委は5月の審査会合で「解釈も落ち着くところに落ち着いた」として、おおむね了承した。
 しかし渡辺氏らは論文で「活断層の存在を確実に否定できる根拠はないのに、活断層以外で説明できるから考慮しなくてもよいとの論理は規制基準に反している」と指摘。「審査の正しい手順を踏まずにこれを認めた規制委は、かつての原子力安全・保安院などのようだ」と批判している。
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