[2020_08_14_06]原発に依存してきた過疎の村…“核のごみ”処分場調査に賛否 北海道神恵内村(HBC北海道放送2020年8月14日)
 
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原発に依存してきた過疎の村…“核のごみ”処分場調査に賛否 北海道神恵内村

 後志の寿都町に続いて、神恵内村でも表面化した事前調査の応募への動き。住民からは町の将来への不安とともに原発立地自治体ならではの複雑な思いも聞かれました。
 積丹半島の西側に位置し、かつてニシン漁で栄えた神恵内村。
 国が“核のごみ”の最終処分場に適した土地を色分けした「科学的特性マップ」です。神恵内村の大部分は、積丹岳の半径15キロ以内で「好ましくない」とされる黄色で覆われ、「好ましい」とされる緑色は、村の南側のわずなエリアに限られています。
 それでも事前調査の応募への動きが出るのは、村の置かれた現状があります。40年前に2000人以上いた人口は、今では半分以下の820人ほどに…。また、65歳以上の高齢者が占める割合が、45パーセントと高齢化も進んでいます。
 村の財政の大きな支えのひとつが、およそ15キロ離れた泊原発です。北電と道と安全協定を結ぶ原発立地自治体のひとつで、昨年度の村の予算の15%ほどが電源三法交付金などの原発関連の歳入でした。原発関連の雇用など、多くを依存する中、住民の思いは複雑です。
 「これで原発でもなかったら、神恵内だけでなく4町村(神恵内村、泊村、岩内町、共和町)なんて哀れなものだと思ってみている。20億円というお金は、今の村にとっては大きいから、もらえるならいい。文献調査までは俺は賛成してるよ」(村民)
 「やっぱり4町村で“核のごみ”を受け入れるということは必要なのではないかと思うけどね。ほかの何十町村もさ、手を上げるようになったら大変だよね」(村民)
 「(反対だとかいいとかいろいろ聞いているんですが…)そりゃあよくない。(その理由は?)理由も何も、あんなごみ持ってきてどうすんのよ」(村民)
 「問題はここ(泊原発)の再稼働だろうね。これが運転OKですよとなれば一転して(処分場が)必要だから、どうしてもやろうという可能性も出てくる。自分としては、なければないほうが…」(村民)
 “核のごみ”をめぐる動きと進む過疎化。原発立地自治体の村も揺れています。
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