[1996_05_15_01]志賀原発 未明に原子炉停止 北電 軸封部を分解究明 きょう県が現地確認(北国新聞1996年5月15日)
 
 北陸電力は14日、石川県志賀町赤住の北電志賀原発1号機(沸騰水型軽水炉、定格出力54万キロワット)の原子炉再循環ポンプのうち一台で、軸封部の機能低下が確認されたとして、同日午後4時から原子炉出力を手動で降下させる作業に入った。15日午前零時に発電を停止、原子炉は同日未明に停止する。北電は軸封部の機能が低下した原因として、シール水(軸封部内を流れる冷却水)の出口部分に微細なゴミなどが付着して目詰まりを起こしたか、シール水の圧力を調整する減圧装置に何らかの支障が生じた可能性があるとみており、原因究明のため軸封部を分解し、本格的な調査に乗り出す。

 北電によると、14日午前一時現在の軸封部監視項目の放値は、二段構造になっているシール室のうち、密封機能の低下がみられる第二段シール室内の温度が50.5度(管理値75度以下)、第二段シール室内圧力は1センチ当たり40.9キログラム(同17−53キログラム)、シール水出口流量は毎分2.03リットル(同1.9ー3.8リットル)で、いずれも管理値の範囲内だった。
 しかし、シール水出口流量値が徐々に低下していることから、北電側は「シール水の出口側の流れが悪くなっていると推定される」としており、予防保全の観点から軸封部を分解点検し、原因を突き止める必要があると判断、原子炉の停止に踏み切った。
 北電の説明によると、シール水の流量低下に伴うシール室内の温度、圧力の上昇傾向は、3月初旬から現れ、担当者は中旬ごろ異変に気付いた。軸封部監視項目の数値はいずれも管理値の範囲内にとどまっていたため、監視を強化しながら運転を継続していた。
 石川県は14日夕の出力降下作業に環境安全部の職員を立ち会わせたほか、15日年前10時から志賀、富来両町関係者とともに原子炉停止を確認するため職員を派遣する。
KEY_WORD:再循環ポンプ故障_原子炉停止_:SIKA_: