[2019_06_14_01]川内1・2号機停止へ 来春 対テロ施設遅れ 全国初(東京新聞2019年6月14日)
 
参照元
川内1・2号機停止へ 来春 対テロ施設遅れ 全国初

 九州電力の川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)が来年三月に運転を停止するのが確実となったことが十四日、分かった。テロ対策施設「特定重大事故等対処施設」の建設が遅れ、完成が期限に間に合わないためで、特重施設の完成遅れによる原発の稼働停止は全国初となる。川内2号機も来年五月に停止し、全国で二例目になるのは確実。
 原子力規制委員会は今月十二日、特重施設が期限日の約一週間前までに完成していない原発については、電力会社に運転停止命令を出す方針を決めた。川内1号機の期限は来年三月十七日、2号機は来年五月二十一日で、九電関係者は「特重施設の完成が期限に間に合わず、稼働を停止するのは確実だ」と明らかにした。
 川内1、2号機が停止しても火力発電などで代替できるため、電力供給自体には支障が出ない見通し。九電は1、2号機が停止した場合、全てを液化天然ガス(LNG)火力発電で代替すると毎月八十億円のコスト増となると試算し、業績に冷水を浴びせそうだ。
 九電は川内1、2号機とも運転停止期間が約一年間になると見込んでおり、工事期間の短縮により、停止期間をできるだけ短くしたい考えだ。
 九電を巡っては玄海原発3、4号機(佐賀県玄海町)についても、特重施設の完成が二〇二二年中の設置期限に間に合わず、運転を停止する可能性がある。

<特定重大事故等対処施設> 航空機の衝突などのテロ攻撃で原子炉が大きく破壊された場合も、遠隔操作で冷却を維持し、放射性物質が漏れるのを抑制するための施設。略して「特重施設」。緊急時制御室や電源設備、冷却ポンプを備え、原子炉建屋から100メートル以上離すことで同時に被災する事態を避ける。原発本体の工事計画の認可後、5年以内に設置する必要がある。原子力規制委員会は、特重施設が期限日の約1週間前までに完成していない原発に関し、電力会社に運転停止命令を出す方針を決めている。

KEY_WORD:GENKAI_:SENDAI_: