[2019_07_27_05]柏崎刈羽が再稼働1兆円超 テロ対策、安全費倍増(東京新聞2019年7月27日)
 
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柏崎刈羽が再稼働1兆円超 テロ対策、安全費倍増

 東京電力が、再稼働を目指す柏崎刈羽原発(新潟県)の安全対策費として約一兆一千六百九十億円がかかるとする新たな試算をまとめたことが二十六日、分かった。従来の約六千八百億円から二倍近くに増加した。テロ対策施設(特定重大事故等対処施設)など原発の新規制基準への対応費用が大きく増えたことが要因。
 安全対策費は全国の原発で増え続けており、再稼働が進んでいる関西電力で約一兆二百五十億円、九州電力で九千数百億円となっている。原発再稼働に巨額の費用がかかることが改めて浮き彫りになった。電気料金への上乗せによる、利用者の負担増加も懸念される。
 東電は柏崎刈羽原発の七基のうち、一基当たり百三十五万六千キロワットと出力の大きい6、7号機の再稼働を優先。二〇一七年十二月に原子力規制委員会の審査で新基準に適合し、現在は対策工事を実施している。
 東電によると、航空機落下といったテロに備え、遠隔操作で原子炉などの冷却を維持する施設の新設に加え、構内全体での火災防護対策や液状化対策で費用が増加。過酷事故時に原子炉格納容器の破損を防ぐ排気設備「フィルターベント」二基の設置費も含まれる。
 東電は一三年七月の新基準施行後、安全対策費を約四千七百億円と試算。その後、一六年十二月に約六千八百億円に見直していた。東電は6、7号機を再稼働した場合、一基当たり年間で七百億〜千三百億円の収益改善効果があると見込んでいる。
 東電の担当者は「設備の詳細設計を進め、必要な追加対策を反映した結果、費用が増加した。今後も安全対策を着実に遂行していく」と話している。

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