[2014_07_08_04]地下道汚染水止水へ 凍結能力の強化要請 規制委、東電に(東奥日報2014年7月8日)
 
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 原子力規制委員会は7日、福島第1原発の廃炉作業に関する会合で、海側のトレンチ(電源ケーブルなどが通る地下道)を凍結止水し高濃度汚染水を抜き取る工事が難航している問題を受け、東京電力に対し凍結能力の大幅な強化を急ぐよう要請した。
 東電は会合で、2号機タービン建屋とトレンチの間で汚染水が行き来することに伴う水の流れ(最高で分速2ミリ)が接続部での凍結を妨げているとして流速の低減を図る考えを説明。しかし、更田豊志委員は「ちょっとやそっとの流れでもがガチンガチンに固まるように冷凍能力を『倍に、3倍に』ということだ」と指摘した。
 規制委は、水の流れが主因とする主張や流速低減の実現性を疑問視し、凍結菅の増設やトレンチ外側からの冷却などを優先するよう要求。東電は「実証試験で水流を想定しないなど検討が不十分だった。徹底的な対策を講じたい」とした。
 第1原発では2,3号機のタービン建屋につながるトレンチに高濃度汚染水約1万1千トンがたまっており、海洋への流出が危惧されている。
 また6月には、1〜4号機建屋の周囲の地中を凍らせる「凍土遮水壁」も着工したが、敷地海側での設置はトレンチの水抜きが前提。接続部の止水ができないと、国と東電が本年度中の完成を目指す凍土壁の工事が滞ることになる。
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