[2024_01_24_06]珠洲市沿岸部の火災、漂着物などから燃え移る「津波火災」か…東日本大震災でも発生(読売新聞2024年1月24日)
 
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珠洲市沿岸部の火災、漂着物などから燃え移る「津波火災」か…東日本大震災でも発生

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 能登半島地震の被災地・石川県珠洲市の沿岸部で発生した火災について、津波の漂着物などから家屋に火が燃え移る「津波火災」だったとみられるとの分析結果を京都大防災研究所の専門家がまとめた。同様の火災は2011年の東日本大震災でも起きており、専門家は「津波想定地域では、早急に対策を進める必要がある」としている。
 分析したのは、同研究所の西野智研准教授(建築火災安全工学)。津波に襲われた珠洲市宝立町の火災現場について、地震発生翌日の2日に上空から撮影された映像を基に調べた。
 津波で流された自動車や家屋などががれきとなって浸水域の浅い場所に集積し、何らかの原因で出火したと推定。さらに流失しなかった家屋に燃え移って延焼した可能性があると分析した。焼失面積は1500平方メートルと算出され、市によると、火災による死者は出なかった。
 津波火災は東日本大震災で被災した宮城県気仙沼市などでも確認された。津波で流れ出た家庭用プロパンガスのボンベや車から燃料が漏れて引火したとみられ、燃え広がった火が、住民が避難したビルに延焼したケースもあった。
 西野准教授は「津波浸水域では火災のリスクがあることが改めて裏付けられた。避難先に火が迫っても安全に待機できるよう、各自治体は津波避難ビルの火災安全対策を確認してほしい」と話した。

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