[2024_01_14_02]津波第一波 富山市に3分で到達 富山湾に隠れた津波の危険性(NHK2024年1月14日)
 
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津波第一波 富山市に3分で到達 富山湾に隠れた津波の危険性

 12:40
 能登半島地震では震源から離れた富山市にも地震の発生からわずか3分で津波の第一波が到達しました。
 津波の専門家は、富山湾で地震の揺れで海底地滑りが発生し、想定よりはるかに早く津波が押し寄せた可能性があると指摘しています。
 気象庁によりますと、1月1日の午後4時10分に発生した能登半島を震源とするマグニチュード7.6の大地震では直後に震源近くの石川県輪島市や珠洲市などで津波が到達し、震源から南に離れた富山市でもおよそ20分後に最大で80センチの津波を観測しました。
 しかし、富山市では、その最大の波が到達するよりはるかに早い、地震からわずか3分後の午後4時13分に第1波が観測されていました。
 国土交通省・富山河川国道事務所が神通川の河口に設置している河川カメラの映像にも、地震のおよそ3分後に、砂浜の水位が下がった後、押し返すような波が海岸に到達する様子が撮影されていました。
 これについて、津波のメカニズムに詳しい東北大学災害科学国際研究所の今村文彦教授は、富山市に比較的近い富山湾の沖合で地震の強い揺れによる「海底地滑り」が発生し、局地的に津波が押し寄せた可能性があると指摘しています。
 今村教授によりますと、富山湾は急激に深くなる傾斜の強い海底という独特の地形に加え、富山県の川から流れ込んだ土砂が緩やかに積もっていることからこうした海底地滑りのリスクが比較的高いと考えられるということです。
 今村教授は「今回の地震は、たまたま冬に起きたため海岸や河口にいる人が少なかったと考えられるが、これが夏だったら、海水浴客や釣り人など多くの人が巻き込まれていた可能性がある。非常に到達の早い津波が富山湾にはあるということを踏まえて、防災計画や避難施設の整備を進めることが必要だ」と話していました。
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