[2024_01_16_01]東海第2再稼働 争点の東海村議選 元裁判長・樋口さん「原発を真っ先に考えて」(東京新聞2024年1月16日)
 
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東海第2再稼働 争点の東海村議選 元裁判長・樋口さん「原発を真っ先に考えて」

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 本紙茨城版の不定期連載「東海第2原発 再考再稼働」の第1回(2019年11月28日掲載)に登場した樋口さんは講演後、取材に応じた。日本原子力発電東海第2原発の再稼働の是非が争点となる見込みの茨城県の東海村議選(16日告示、21日投開票)を前に、有権者に「原発のことを真っ先に考えてください。圧倒的に重要だから」と語った。
 東海第2を巡っては、昨年12月に村議会が早期の再稼働を求める請願2件を、賛成多数で採択。今後、村議会や住民の間で議論が活発になると予想される。樋口さんは「地震大国の日本では、いつどこで地震が発生するか分からない。原発との共存共栄はあり得ない」と強調する。
 村は昨年末、再稼働の前提となる広域避難計画を公表した。計画では避難手段は自家用車が原則となっているが、地震や津波と原発事故が同時に起きる複合災害の想定は不十分だ。
 樋口さんは「道路の電柱が1カ所でも倒れたり、マンホールが飛び出してきたりしたら、避難経路は寸断される。広域避難計画はつくれない。能登半島地震の被災状況を見れば明らかだ」と言い切る。
 「農業大国」の県は、農林水産省算出の県内の農業産出額が4409億円(2022年)で全国3位を誇る。「もし原発事故が起こったら放射能で土壌汚染され、農産物を供給できなくなる」と樋口さん。
 「(これらを踏まえると)東海第2原発再稼働はあり得ない。耐震性、老朽化などあらゆる面から危ない」と改めて警告した。(青木孝行)
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