[2024_01_09_04]津波、能登半島を回り込む 石川・珠洲などで4 メートル 超(日刊スポーツ2024年1月9日)
 
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津波、能登半島を回り込む 石川・珠洲などで4 メートル 超

 18:17
 能登半島地震で石川県珠洲市の市街地や能登町の沿岸部を襲った津波は、半島の先端部を北東から東に回り込んで到達し、大きな被害をもたらしたとみられるとの分析を、土木学会のチームが9日、明らかにした。現地調査では、津波が複数の場所で高さ4メートル超に達していた痕跡を確認した。
 チームによると、能登半島の東側の沖合には「陸棚」という比較的水深の浅い場所があり、より沖合の富山県側に向かって深くなる。
 津波は深海ほど速く進み、浅くなるにつれて遅くなる特徴がある。チームのシミュレーションでは、珠洲市の北東からやって来た津波が、半島に近い浅い場所では遅く進み、より沖合の深い場所で速く進んだ結果、半島側に回り込む形で珠洲市の市街地や能登町に到達した。
 港は狭くて水深が浅いため、津波が一層高くなって被害を大きくした可能性がある。
 チームは、珠洲市の寺家地区で高さ4・7メートル、同市宝立町の鵜飼、春日野地区で4・3メートルまで津波が到達した痕跡を確認。海岸沿いでは多くの家屋が壊れ、川の氾濫や火災の跡もあった。
 半島北部の西側では、志賀町で5・1メートルまで達した場所を確認したが、その他の多くの地区では、地盤が隆起して津波の影響が小さくなったという。
 現地調査に参加した京都大防災研究所の森信人教授は「半島北部の東側と西側で津波の高さは大きくは変わらないという印象だが、東側の低い地域に比較的多くの人が住んでいたため、東側(の珠洲市街など)で大きな被害が出たと考えられる」と話している。
 調査は1月4日から石川、富山、新潟各県の沿岸部で行った。(共同)
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