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もんじゅ、装置回収また中断 ふたに引っ掛かる?

 日本原子力研究開発機構は13日、高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で、8月に原子炉容器内に落下した炉内中継装置の取り出し作業を再開したが、つり上げている途中で荷重が異常値を示して警報が鳴り、作業を再び中断したと発表した。円筒形の同装置の一部が、原子炉容器の上ぶた付近で引っ掛かるためとみられる。再開のめどは立っておらず、回収が長期化する可能性もある。

 回収作業の中断は4日に続き2回目。4日には作業開始直後に荷重計にノイズが混入し、警報が鳴ったため中断。ノイズ対策を施していた。

 原子力機構によると13日午前10時すぎ、回収作業を開始。グリッパー(つかみ具)で同装置を2・26メートルつり上げた午後1時ごろ、荷重計で「荷重超過」を示す警報が鳴り自動停止した。その後、警報が鳴る荷重の設定値を段階的に最大値まで上げ、6時間で計24回にわたり引き上げを試みたが引き抜けなかった。
 作業を中断後、同装置は落下していた元の位置まで下ろした。

 同装置は高さ12メートル、直径46センチの円筒状。2本の筒を8本のピンでつぎ合わせた構造で、下から5メートルの部分に接合部がある。

 原子炉容器の上ぶたの最も狭い個所は直径46・5センチで、同装置の接合部付近がこの位置にくると警報が鳴るという。原子力機構は「内部で引っ掛かっている可能性が高い」としており、落下時の衝撃で接合部が変形した可能性もあるとみて詳しく調べる。これまで燃料交換の際に引っ掛かって警報が鳴った例はないという。

 作業の再中断について県原子力安全対策課の岩永幹夫課長は「確認が困難な個所で装置がどういう状態になっているか分からない。同じ位置で警報が作動していることを考えれば、装置の構造に何か異常が生じている可能性を含めてしっかり分析した上で、今後の対策を検討する必要がある」と指摘。原子力機構の方針がまとまった段階で、対策が妥当か確認するとしている。

 嶽勤治・敦賀市企画政策部長も「まずは、しっかりと原因を究明することが先決。トラブルが発生している場所が原子炉容器内だけに、作業はとにかく慎重に進めてほしい」と求めた。

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