[2022_03_18_08]震度6強の震源、昨年2月と近接 専門家「エネルギーは2倍」(河北新報2022年3月18日)
 
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震度6強の震源、昨年2月と近接 専門家「エネルギーは2倍」

 2022年3月18日 6:00
 宮城、福島両県で震度6強、マグニチュード(M)7・4を観測した16日夜の地震は、昨年2月13日に福島県沖であったM7・3の地震と同じ太平洋プレート(岩板)内部で発生し、震源も非常に近かった。東北大の松沢暢教授(地震学)は「昨年2月の地震の影響で隣接する領域に力が集中的に加わり、断層の破壊が引き起こされたのではないか」との見方を示す。
 松沢教授によると、昨年2月の地震では震源から南西に、今回は反対の北東に断層の破壊が進んだ。いずれも震源が陸地に近いため強い揺れが観測された一方、震源が深かったことで海底の上下変動は小さく、津波は弱くなった。
 断層面がずれ動いた量などで計算するモーメントマグニチュード(Mw)は昨年2月が7・1に対し、今回は速報値で7・3。Mwが0・2大きいとエネルギーは約2倍になるため、広範囲で大きな揺れや被害につながったとみられる。
 東日本大震災の本震は陸側プレートと沈み込む太平洋プレートとの境界面で起きた。その後も、プレート境界がゆっくりとずれ動く「余効滑り」などの影響が長引く中、昨年2月と今回の地震が発生したと考えられ、11年たっても地震活動が活発な状態が続く。
 松沢教授は「残念だが地震活動が震災前の状況に戻るには少なくとも数十年、おそらく100年以上かかる。今後もM7以上の地震が数年に一度起きても不思議ではない」と引き続き警戒を呼び掛ける。
 仙台管区気象台によると、宮城県北部では長周期地震動の「階級4」を県内で初めて観測した。4階級のうち一番上で、ビルの高層階では立っていられず、はわないと動くことができない。未固定の家具は大半が移動し倒れるものがある。
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