【記事93790】伊方3号機運転差し止め−県内慎重派、評価と期待感(新潟日報2020年1月18日)
 
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伊方3号機運転差し止め−県内慎重派、評価と期待感

 伊方原発3号機の運転差し止め決定を受けて、原発再稼働に慎重な立場の県内関係者から評価する声が上がり、東京電力柏崎刈羽原発の
運転差し止め訴訟への後押しとなることへの期待感も広がった。
 柏崎刈羽原発運転差し止め訴訟の原告で、福島県郡山市から新潟市に避難している菅野正志さんは「福島第一原発事故も地震が起きる可能性
を知りながら過少評価し、対策を取らなかったために起きた。当然だ」と力を込めた。
 伊方原発の運転差し止め訴訟では、原発から50キロ圏内の島の住民が原告となった。
 同じく柏崎刈羽原発から50キロ圏内にある佐渡市のJA佐渡は、2015年に同原発の再稼働反対を特別決議した。
 当時の幹部の一人、斎藤孝夫さんは「広島高裁の決定は心強い。象徴的な一事例になるのでは」と歓迎。「今回を機に脱原発の流れが
できることを願う」と語った。
 「柏崎刈羽原発反対地元三団体」の共同代表で前柏崎市議の矢部忠夫さんは、原子力行政が行き詰っている表れとし、「高裁が決定した
ということに意義がある。原発を巡る最近の司法判断に軟弱さを感じていただけに、非常に喜ばしい」と話した。
 柏崎刈羽原発運転差し止め訴訟の原告側弁護団長を務める和田光弘弁護士は「決定の中身をしっかり見なければならないが、勇気のある
判断だったと思う。よかった」と評価。「伊方も柏崎も大きな断層帯付近にあり、基準値震動を超える危険性がある原発であることは共通している」とし、係争中の柏崎刈羽原発訴訟への影響に期待した。
 (1月18日「新潟日報」11面より。紙面のみでネット上に掲載なし)

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