[1927_03_09_02]奥丹後の各町村全滅 死傷数千名に上る 大地震の被害激甚 峰山、岩滝、網野一帯の惨状(東京朝日新聞1927年3月9日)
 
※以下は地震関連の見出しと重要と思われる部分をテキスト化したものである

○奥丹後の各町村全滅 死傷数千名に上る 大地震の被害激甚 峰山、岩滝、網野一帯の惨状
○丹後半島を一周して本社機上より視察す 掌を指すが如き大惨状 【機上にて・・・小菅特派員手記】
○全滅せる峰山町 全町民の半数は死傷 本社特派員徒歩にて 惨たる激震地を訪ふ
 【宮津椎野特派員発電】記者は七日午後十一時四十五分??列車に乗って丹後山田駅に向い、それから徒歩で宮津駅に着いた、宮津駅での情報によれば峯山地方は一千戸の戸数ほとんど震火災のため全焼し町民五千の中約半数は死傷せる見込、網野町は戸数四百全滅し岩瀧町、加悦町、府中村、山田村、岩屋村、三河内村の七ケ町村戸数約三千戸の七分通りは全滅した、至る所で阿鼻叫喚の声が上がっている、宮津駅??吉崎重右衛門君は全滅した峯山町の状況を??すべく猛火につつまれた峯山町を抜け約十五マイルの線路を突破して八日午前二時半宮津駅に到着したが同君は語る「午後六時半頃突然大地震があり、あわてて外にでるとたちまち峯山全町は数十カ所から火を発しあはやという間に??炎につつまれ各官庁や人家などが倒壊し二三時間の間に被害累々と起った、ここへくる途中沿道の各町村も火を発して見るも恐ろしい有様を呈したまた鉄道線路は大亀裂を生じレールがあめのように曲がっているのを見た、尚死傷者は目下判明しないが??町死者二十名その他、峯山、加悦、久美浜方面を合すると死傷者数千名に達する見込、峯山町??に投宿中家屋倒壊のため行方不明となった山本福知山保線事務所長の死体は今のところ判明しない次に記者は八日午前二時??河守町を?した、??の山けいを由良の流れに沿うて由良にいで、さらにさく風を衝いて自動車を北にし、道路面の大小幾条の亀裂を避け、そそりたつ山頂から路上に墜落した巨岩大石、されは栗田トンネルの東入口その他築堤の土地などを?、死んだような幾多の村落を突破して震災警備のために舞鶴要港部から特派された警備艦の照らす探照灯の光を望みつつ午前四時過ぎ宮津駅頭に着いた、その瞬間地鳴りと共に襲うて来た猛烈な余震は宮津駅前の広場に避難しつつあった??町民の肝をひやした、宮津町は被害比較的軽微であるが天の橋立北方の鉄道線路は沈下しその他路線も浮き上がったところも多くあり、目下のところ開通は全く不明である、尚天下の勝景「天ノ橋立」には多少の亀裂はあるが無事である
○網野町も全焼す
○火炎の峰山を脱して 吉村代議士母堂惨死の報を待ち 現場の惨状を語る
○燃えつつある丹後網の町【本社飛行機上より撮影】ー飛行便ー
○宮津町を指して避難民殺到す 戦場のごとき大混乱
○救助施設は報告を待って 差当り首相から訓令する事 きょうの臨時閣議
○運輸事務所長 惨死す
○山陰本線はあす全通の見込

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