[2012_04_17_02]中部電 浜岡「停止中は安全」 21メートル津波 再稼働時の対策検討 経済産業省原子力安全・保安院 (東奥日報2012年4月17日)
 中部電力は10日、南海トラフの巨大地震が発生し、浜岡原発(静岡県御前崎市)に高さ21メートルの津波が来た場合の影響評価についての報告書を経済産業省原子力安全・保安院に提出した。停止中の現状を前提に「安全を確保できる」としている一方で、冷却機能が失われ注水が停止すると、最短で6日後に燃料が露出する可能性があるとした。被災後に迅速な復旧作業ができるのか問われそうだ。
 一方、再稼働した場合の対策について報告書は「(データを)詳細に検討し、必要な対策を講じる」と追加対策の是非を検討する考えを示した。中部電の増田博武原子力部長は記者会見で「津波21メートルの試算の根拠となったデータが十分に提供されていない。評価には数カ月かかる」と先送りする考えを示した。
 同原発は昨年5月に政府の要請で停止し、東京電力福島第1原発事故を踏まえて海抜10メートルの防波璧などを建設している。しかし、今年3月末、内閣府の有識者検討会は巨大地震が発生すると、最大21メートルの津波が押し寄せると予測。保安院は中部電に対し、浜岡原発への影響を評価する報告書を10日までに提出するよう求めていた。
 報告書によると、「現状は冷温停止状態にある」とした上で、「原子炉や使用済み核燃料プールの冷却機能が喪失しても、燃料が冷却水の水面から露出するまでに最短で約6日ある」と分析。「高台に配備した可動式ポンプなどで代替注水できる」としている。
 中部電は12年中の防波壁完成を目指している。追加対策としては、防波壁の高さ見直しが想定される。【森有正、高橋昌紀、岡田英】
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