【記事25360】南海地震M9で大阪水没 津波5.5メートル 地下浸水対策訴え 関西大試算(福井新聞2011年6月24日)
 

※以下は上記本文中から重要と思われるヶ所を抜粋し、テキスト化したものである

 東日本大震災と同じマグニチュード(M)9.0級の南海地震が起きた場合、大阪に押し寄せる津波の高さが5.5bとなり、大阪府内の平野部の大半が水没する恐れがあるとの試算を関西大社会安全学部学部長の河田恵昭教授がまとめ、23日、大阪市内で開かれた共同通信社のきさらぎ会の講演で明らかにした。
 津波は斜面を上るため、被害地域はさらに広がる可能性もある。河田教授は「防災計画には最悪のシナリオが必要だ」として、大都市に特有の地下鉄や地下街への浸水対策や、防波堤の整備などを訴えている。
 文部科学省地震調査研究推進本部や河田教授によると、南海地震の30年以内の発生確率は60%程度。M8.4と想定され、大阪湾を襲う津波の高さは2.5メートルとされていた。Mが0.2増加すると、津波の高さは平均1.3倍に。M9.0なら想定よリ3メートル高くなる。
 地盤の高さから、大阪市内では府本庁舎や大阪城がある海抜20メートル以上の上町台地を除くほぼ全域が水没。大阪湾から40キロ近く離れた高槻市や枚方市など府北東部や、東部の八尾市など広範囲が被害を受けることになる。河田教授は、関西広域連合の7府県に高知、岡山両県を加えた自治体と協力し、スーパーコンビューター「京」(神戸市)を使って詳細な津波被害の計算をしたいとしている。また、東海・東南海・南海地震が連動すると、死者が東日本大震災の10倍以上となる恐れもあると警鐘を鳴らした。

KEY_WORD:NANKAI_:東日本大震災:関西大社会安全学部学部長の河田惠昭よしあき教授:共同通信社のきさらぎ会:文部科学省地震調査研究推進本部: