[2023_08_31_08]誤り相次ぎ審査中断の敦賀原発2号機 規制委に申請書を再提出(毎日新聞2023年8月31日)
 
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誤り相次ぎ審査中断の敦賀原発2号機 規制委に申請書を再提出

 2023/8/31 13:17
 審査資料の書き換えや誤りが相次いで見つかり、再稼働に向けた安全審査が中断している日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)について、原電は31日、原子力規制委員会に再提出を求められていた審査の申請書を出し直した。規制委は9月上旬にも、審査を再開するかどうか定例会合で判断する見通し。
 同様の誤りがまた繰り返されれば、規制委は審査を打ち切って不許可にする意向だ。その場合、2号機は再稼働できず廃炉になるため、原電にとっては正念場となる。
 原電によると、最初の申請書は470ページだったが、再提出した申請書は約1600ページになった。焦点になっている原子炉直下の断層データを追加し、これまでとは別の地質年代の測定法による評価や、資料の元となった地質調査データなどを盛り込んだ。
 誤りを防ぐ対策として、経営層が品質管理体制を審査するマネジメントレビューを実施したほか、社内で申請書にかかわる社員を約20人増やして約30人にした。
 敦賀2号機の審査を巡っては、原電が2020年2月、審査資料のうち、原子炉直下の断層データを無断で書き換えていたことが発覚し、規制委が審査を中断した。
 規制委は原電への立ち入り調査を経て、態勢が改善されたと判断。昨年12月に審査を再開したが、今度は審査資料に多数の誤りが見つかった。書き換えや誤りは計約1300件に上った。
 異例の事態を受けて規制委は今年4月、審査を再中断することを決定。申請書のうち、原子炉直下の断層に関する部分を修正して8月までに出し直すよう原電を行政指導した。山中伸介委員長は再中断について「基本的に最後の判断」と述べていた。
 敦賀2号機は原子炉直下の断層が「将来活動する可能性がある」と規制委の有識者調査団が認定している。たとえ再開した審査で原電の態勢が改善されても、これを覆せなければ再稼働できず、廃炉になる見通しだ。【土谷純一】
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