[2023_12_06_07]<東海第2原発 再考再稼働>(62)東海村議編 現状では是非判断できず 公明・岡崎悟さん(66)(東京新聞2023年12月6日)
 
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<東海第2原発 再考再稼働>(62)東海村議編 現状では是非判断できず 公明・岡崎悟さん(66)

 07時53分
 実効性のある広域避難計画の策定と、さらにその計画への住民の理解が進まない中では、東海第2原発の再稼働の判断はできないと考えている。安全性確保に向けた取り組みが重要なので、いまは計画策定や安全対策工事の進展を見守りたい。
 こうした考え方から、村議会の原子力問題調査特別委員会での請願審議では、再稼働に賛成の立場で出された請願2件が速やかな再稼働を求める内容だったため、会派の2人で棄権をした。一方、再稼働に反対の立場で出された3件の請願は、現時点では選択肢を狭めるべきではないとも考えているため、賛成しなかった。
 まずは、村が最優先で広域避難計画の策定に取り組み、内容を示すべきだ。それにより、議会としてもより具体的な対応が取れるようになる。位置付けとしては、最初はたたき台でいいが、その後は不断の見直しが必要だ。計画をまず示してもらい、その後、中身については検討しながら実効性を高めていく。他の自治体の避難計画も全部そういうつくり方をしている。
 現状で示せる計画を公表することで、村民にとっても広域避難に対する理解を深めることにつながる。原子力施設が所在する地域の住民として取るべき行動が明確になり、住民自身が具体的な行動を確認できるようになる。計画を示さなければ、具体的なことは何も進まない。
 私の肌感覚では、広域避難と一般的な避難の違いを理解している人は、まだ少ない。村としてはまず、その辺りの理解を得ていく努力が必要だ。
 原発事故時の避難行動は原発から5キロ圏内と5〜30キロ圏内では対応がかなり異なる。5キロ圏内は素早く避難することが中心になるのに対し、5〜30キロ圏内ではまずは屋内退避となる。東海第2原発で何か起きた場合、東海村の場合はとにかく早く全員が逃げるということを理解してもらう必要がある。
 計画策定後は、村民への周知が重要になってくる。幸い、村内では各地域ごとに祭りをしたりグラウンドゴルフをしたり、地域のつながりは強い。自治会の協力を得て、コミュニティーセンターや集会所単位で理解を深める取り組みをしていくべきだ。
 東海村では、原子力と何らかの関係を持っている村民が多い。このため、原子力に対して柔軟な考えを持つ住民が多い一方で、漠然とした不安を持つ住民がいることも事実。最近では、昨今のエネルギー危機を背景に、原子力に許容的な住民が緩やかに増えているように感じる。
 いずれにせよ、私たちは現時点では再稼働の是非は判断できないという立場。来年1月の村議選でも主要な争点になるとは考えていない。(聞き手・長崎高大)

<おかざき・さとる> 1957年生まれ。日立市出身。駒沢大中退。東海村で建築塗装業を営む。村議会では2人会派「公明党」の代表を務める。2008年の村議選で初当選し、4期目。公明党東海支部長。
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