[2023_12_02_01]東海村、原子力安全対策懇で素案提示 避難先や経路「調整中」 「年内公表」は不透明(東京新聞2023年12月2日)
 
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東海村、原子力安全対策懇で素案提示 避難先や経路「調整中」 「年内公表」は不透明

 07時55分
 茨城県東海村は1日、学識経験者や住民代表らでつくる原子力安全対策懇談会を開き、東海第2原発の重大事故に備えた広域避難計画の素案を初めて示した。ただ、具体的な避難先や避難経路は全て「調整中」とされた。村は最終的な計画を改めて示す予定だが、山田修村長が目標とする「年内公表」は不透明な状況だ。
 素案では避難方法を「ターミナル方式」とした。村の広域避難先の取手、守谷、つくばみらい3市内に数カ所の「避難経由所」を設け、村民は小学校区ごとにいったん指定の経由所に避難する。経由所を基点に、受け入れ態勢が整った避難所から順に避難先が割り振られる。
 村によると、計画で最終的に示されるのは「避難経由所」のみで、村民が実際に避難生活を送ることになる具体的な施設名は記載されない見込み。
 避難手段は自家用車での避難を基本としている。自家用車が利用できない場合は、徒歩で村内の一時集合所へ行き、そこからバスで避難したり、自宅から福祉車両で避難したりすることを想定。バスや福祉車両の手配は県や国が行う。
 山田村長は計画の年内公表を目標に掲げており、懇談会冒頭のあいさつで「懸案となっている避難先の確保は、どうにか全村民が避難できる見通しがついた」と説明した。しかし村によると、個別の避難所確保はまだ調整中で、最終的に計画を承認する村防災会議が年内に開催できる見通しは立っていない。(長崎高大)

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