[2023_11_22_01]日本原電の東海第二原発工事不良 腐った体質 防潮堤工事…南側と北側基礎の両方で重大な不良 阿部功志(東海村議会議員・脱原発とうかい塾)(たんぽぽ2023年11月22日)
 
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日本原電の東海第二原発工事不良 腐った体質 防潮堤工事…南側と北側基礎の両方で重大な不良 阿部功志(東海村議会議員・脱原発とうかい塾)

◎日本原電による東海第二原発防潮堤工事の施工(せこう)不良とそれを公表しなかった事実、これは重大です。
 原電は、内部告発によって事態を知った共産党が10月16日に記者会見をすると聞き、その日のうちにあわてて規制庁に届け、急に発表しました。

◎東海村議会は11月8日の全員協議会に原電を呼んで説明を聞きました。

◎原電自らが安全対策の要(かなめ)と言っている防潮壁(ぼうちょうへき)取水(しゅすい)口(こう)、ここの南側基礎の鉄筋が変形し、コンクリートの充填(じゅうてん)不足で隙間(すきま)ができました。
 つまり強度不足で不十分な工事でした。
 しかも実は北側基礎にも重大な不良がありました。
 ばれなければ知らんぷりできるのですが、共産党の動きを見て公表したのです。
 来年9月の工事終了予定に間に合わせようと無理に工事を進めたしわ寄せが出たようです。

◎不備のところはコンクリートで埋めてしまえばわからなくなります。それなのに規制庁や県は、工事途中だから別に構わないとします。
 この危機意識のなさも問題です。ほかにも隠していることがありそうで、規制庁の現地調査官にも聞かないと。

◎実際、施工不良は今年4月に指摘されていましたが、原電はなぜか6月になって工事を中止し、10月まで公表しないまま(規制庁にも未報告!)でした。
 原電は「調査を進めていて原因や対策がまとまった段階で公表したので時間を要した」(読売新聞の記事)、「隠しているということではない」(茨城新聞の記事)などと釈明しますが、ウソでしょ。

 最近は異常なほど火災も頻発(ひんぱつ)しているし(昨年9月から7件)、原電の「安全を最優先する」という姿勢がむなしく響いて、安全管理の信用は完全に失われました。

◎おそらく工期は延びるでしょうが、より問題なのは、原電の隠蔽(いんぺい)体質が変わらないことです。
 こんな不祥事(ふしょうじ)を内部告発で暴(あば)かれるまで言わなかったのですから、ほかにも不良個所があると疑われて当然。
 原電は敦賀(つるが)原発でも隠蔽(いんぺい)改竄(かいざん)問題を起こしているし、腐(くさ)った体質は変わりようがないのでしょう。

◎原電は工事の説明で11月中に村内各戸を回っていますが、施工不良の件は説明を避けます。

◎確認のため具体的な記録・証拠を出すように求めましたが、「記録を示せるかはこの場では差し控(ひか)えたい」(朝日新聞の記事)と逃げます。
 全部ほじくり返して再チェックをするか、このまま中断して廃炉にするか、もう、どちらかしかないと思いますよ。

▼もう一つの重大事。

 山田村長は村の避難計画を、12月を目安として公表すると言い、10月27日のニュースでも年内公表の意向を変えません。
 避難先の確保が進んでいないのになんで?
 村民13,000人ぶんの県外避難先は、茨城県担当課が他県から「県内の割り振りを済ませてから話を持ってこい」と冷たく言われ、加えてバス会社との協定もうまくいっていません。
 これでも策定したとでっち上げたいなら、村長は正常な判断力を失っています。
 原発事故は問題ではない、避難計画ができないのは問題ではない、と主張する下路(しもじ)健次郎県議のほうではなく、村民のほうを向きませんか。
  (『浜ぼうふう』第87号 2023年秋冬号 「脱原発とうかい塾」発行より了承を得て抜粋)
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