[2023_10_26_02]東海第二原発の防潮堤工事で施工不良が発覚(工事中断のまま) 4カ月も隠蔽していた日本原電、再稼働対策工事全体の信頼性が問われる 規制委員会、茨城県の対応は「工事中のこと。報告義務もない」と全くの無責任 適当な補修による対策完了→再稼働・超長期運転を許すわけにはいかない (上)(2回の連載) 披田信一郎(東海第二原発の再稼働を止める会)(たんぽぽ2023年10月26日)
 
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東海第二原発の防潮堤工事で施工不良が発覚(工事中断のまま) 4カ月も隠蔽していた日本原電、再稼働対策工事全体の信頼性が問われる 規制委員会、茨城県の対応は「工事中のこと。報告義務もない」と全くの無責任 適当な補修による対策完了→再稼働・超長期運転を許すわけにはいかない (上)(2回の連載) 披田信一郎(東海第二原発の再稼働を止める会)

 津波を正面から受ける取水口部の「鋼製防護壁」を支える巨大な「コンクリート製基礎」の健全性に関わり、周辺部の同様な工法基礎による「鉄筋コンクリート防潮堤」も、調査が必要。
 そして、この工事区間の元受の「安藤ハザマ」さらに日本原電の監理体制が問われ、再稼働に向けた対策工事全体の信頼性が問われる。
 規制委員会、茨城県の対応は、「工事中のこと。報告義務もない」と全くの無責任。
 工事関係者からの内部告発で明るみに出るまで、4カ月も隠蔽していた日本原電。
 徹底した調査もこれからで、対応に苦慮しているのか、4か月間工事中断のまま。
 発覚した事態の重大性=こんな工事での、適当な補修による対策完了→再稼働・超長期運転を許すわけにはいかない。
 時系列4月 原電の茨城県への口頭説明(9/12)では「施工不良については4月に確認している」と。
 6月 20m防潮堤の内、海に正面から向き合う取水口上部の防潮堤となる「鋼管製防護壁」を支える南北2本の巨大な鉄筋コンクリート製基礎(15.5m角で深さ約50m)建設の途中、土中にコンクリートを流し込んで作った厚さ2.5mほどのコンクリート製外周部の内側を掘削したところ、流し込んだコンクリートが未充填の箇所、結果として鉄筋がむき出しとなっている箇所、鉄筋が変形している箇所が判明。
 規制庁によれば、現場で定期的に行われる「CAP会議」で現場の検査官が報告を聞いていたと、山中規制委委員長は10月18日の記者会見で説明しているが。
 7月
 8月
 9月 規制委員会に毎月出される定時報告にはこの件は全く触れられていない
 9月7日 工事関係者から共産党の大名村議に告発の連絡。
 9月11日 共産党の江尻県議が茨城県原子力安全対策課に通報。原電への問い合わせも要請。
 9月22日 共産党として江尻県議らの名前で、原電、茨城県、東海村に質問書提出。
 10月16日 共産党として、県庁で記者会見開いて経緯を公表した。この日になって、ようやくに、原電は質問書への回答。規制委への報告書提出。プレス向けニュースリリースで概要の公表。
 10月18日 定例の規制委員会で取り上げられることはないまま、その後の委員長記者会見で記者からの質問に答えて「6月に報告受けて、規制庁としては承知していた。工事中のことなので、後の検査で確認する」と、たいしたことはないとの認識。
 10月19日 共産党茨城県委員会が原子力規制庁に対して行ったヒアリングで、北側基礎の鉄筋カゴが工事計画の深さまで沈んでおらず、高い位置で止まっている状態にあることが分かった。基礎が岩盤まで届いていない可能性があると公表した。
 規制庁側は「最終的に是正し、設計通りにやっていただくことが必要だ」と説明したと。また、北側基礎でもコンクリートの未充填や鉄筋の変形などの施工不良は発見されていることも。
 10月20日 茨城県の大井川知事の定例記者会見で、「県には9月12日に口頭で、10月11日に文書で報告された。事業者が工事途中の検査で自ら問題点を発見して、その是正を図っている状況」との認識を。協定上の報告義務もないと説明。
 (下)に続く
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