[2023_08_22_13]東海第二 拡散想定「公表段階にない」 4年ぶり15首長会議(東京新聞2023年8月22日)
 
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東海第二 拡散想定「公表段階にない」 4年ぶり15首長会議

 2023年8月22日 07時52分
 日本原子力発電東海第二原発(茨城県東海村)からおおむね三十キロ圏内の十五市町村でつくる「東海第二原発安全対策首長会議」が二十一日、約四年半ぶりに水戸市役所で開かれた。県の依頼で原電が作成した、放射性物質が放出された場合の拡散シミュレーション結果の取り扱いについて話し合い、座長の高橋靖水戸市長は会議後、「まだ公表する段階にないという結論になった」と述べた。
 会議は非公開で行われた。シミュレーションは、半径三十キロ以内の自治体に策定義務がある広域避難計画の実効性を検証するため、県が原電に要請し、昨年十二月に原電から提出を受けたが、具体的な内容は公表されていない。
 県は、専門機関が結果の妥当性を検証し、各市町村への説明を終えた段階での公表を予定。ただ、公表には説明責任を持つ各市町村の同意が必要としており、今回の各首長の意見を踏まえて現時点の公表は見送ることとした。
 高橋市長は「本当にこのまま住民に説明していいのか、公表で住民の不安をあおることにならないか、そこをさらに詰めたい」と話し、引き続き同会議の枠組みで公表に向けた合意形成を続ける考えを示した。
 会議では他に、資源エネルギー庁の担当者から国のエネルギー政策の説明を受けた。新型コロナウイルスの影響で長期間開催していなかったが、今後は東海第二の安全対策や広域避難体制を議論する場として、活動を再開する。(長崎高大)
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