[2021_07_27_02]関電が2億700万円の申告漏れ 税務調査で大阪国税局が指摘(毎日新聞2021年7月27日)
 
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関電が2億700万円の申告漏れ 税務調査で大阪国税局が指摘

 関西電力の歴代幹部による役員報酬の補てん(ほてん)などの問題で、関電は27日、大阪国税局の税務調査を受け、2019年3月期までの4年間に計約2億700万円の申告漏れを指摘されたことを明らかにした。国税局は大半を悪質な所得隠しと認定。重加算税を含む追徴課税は約3200万円で、関電は同日納付したという。
 関電を巡っては19年9月以降、高浜原発のある福井県高浜町の森山栄治元助役(19年に死去)から歴代幹部が30年以上にわたり多額の金品を受領していたことが発覚。第三者委員会の調査で報酬補てん(ほてん)問題も公表された。
 関電などによると、東日本大震災後の経営不振で電気料金の値上げに伴い、役員報酬を減額した。しかし、当時会長だった森詳介氏は一部の役員を退任後に嘱託などとして任用し、減額分を補う仕組みを主導して発案。社長だった八木誠氏との協議で取締役会に諮らず決めたとされ、16〜19年度に森氏ら元役員18人に総額約2億6000万円が支払われた。
 国税局はうち11人分の計約1億9800万円について、実態は役員の退職給与だったにもかかわらず、嘱託などの報酬として仮装していたと指摘。悪質な所得隠しと認定し、重加算税の対象にしたという。
 また、原発の定期検査などを手掛けるグループ会社「関電プラント(旧関電興業、大阪市)」の顧問を務めていた森山氏への顧問料についても「実態を伴わない交際費」と判断。経費算入を認めず、約900万円の申告漏れを指摘した。
 森山氏は高浜町を退職後の1987年7月に関電の紹介で、関電プラントの顧問に就任。18年まで約30年間、年間200万円の顧問料を受け取っていた。
 関電は毎日新聞の取材に「今後も関係法令に従って適切に対処します」としている。
 報酬補てん問題などを巡っては、市民団体が関与の度合いなどを踏まえて森、八木両氏ら元役員9人を会社法の特別背任容疑などで告発。大阪地検特捜部が20年10月に受理し、捜査を続けている。【稲垣淳】
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