[2007_07_31_02]柏崎刈羽3号機 原発で世界最大の揺れか 中越沖地震 設計想定の2.5倍 最大2058ガル観測 全国的対策急げ 原子力資料情報室の伴英幸共同代表の話 全国の原発への防災指導 調査し改善勧告へ 総務省(東京新聞2007年7月31日)
 

※以下は上記本文中から重要と思われるヶ所を抜粋し、テキスト化したものである

 東京電力は三十日、新潟県柏崎市、刈羽村の柏崎刈羽原発の地震計で観測された新潟県中越沖地震の揺れの強さ(加速度)が、3号機タービン建屋一階の水平(東西)方向で最大2058ガルに達するなど、同原発の七基の原子炉すべてで設計時の想定を大幅に上回ったと発表した。
 東電は、原発で観測した地震の揺れの強さとしては「世界で最大ではないか」としている。今後点検が進む炉心などの安全上最重要の機器に損傷がないか、懸念される。
 3号機タービン建屋一階での設計時の揺れの想定は最大834ガルで、2058ガルはその約二・五倍。想定より約1200ガル大きかった。  2、3、4号機で設計時に想定した最大の揺れを短周期から長周期まですべてで上回り、地震波形も記録できた地震計では、七基中五基で1000ガルを超えていた。
 柏崎刈羽原発では、基礎となる岩盤のすぐ上に当たる原子炉建屋の地下五階床上で、やはり想定の約二・五倍に相当する680ガルが記録され、発生当日に公表されていた。
 これまでに日本の原発で観測された想定を超える加速度は、東北電力女川原発1号機(宮城県)の1449ガルと北陸電力志賀原発1号機(石川県)の961ガルの二件だけ。いずれも原子炉建屋屋上のデータだった。
 東電は、今回の地震で得られたデータを柏崎刈羽原発の耐震設計の基準に反映させる考え。ただ、地震計から得られた速報値であるため、機器に与える影響や詳細な分析は今後進めるとしている。
 原子力資料情報室の伴英幸共同代表の話
 地震の加速度は、七基ある原子炉のうちのほとんどで設計時の想定を上回っている。見た目には大丈夫でも、原子炉や周辺機器に亀裂や破壊、ゆがみなど、原発が運転できないようなさまざまなダメージがある可能性が高い。詳細に調査し把握する必要があるが、原発には多くの配管など複雑な構造があり、物理的に調べられるのか疑問だ。全国的に原発を停止し、今回のような地震への対策を早急に取るべきだ。

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