[2021_06_23_07]地震対策柱に7年半の審査 安全対策費は6000億円に 原発2号機巡る今後の動きは(島根県)(さんいん中央テレビ2021年6月23日)
 
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地震対策柱に7年半の審査 安全対策費は6000億円に 原発2号機巡る今後の動きは(島根県)

 長期間に及ぶ島根原発2号機の安全審査で柱となったのは「地震対策」でした。
 7年半を掛けた審査とは?また今後再稼働に向けどのような手続きがあるのか確認します。
 松江市鹿島町にある島根原発2号機。1989年に営業運転を開始し、出力は82万キロワット。島根県・鳥取県で必要な電力量の8割を1基で賄え、27万世帯に電力を供給することができます。その構造は、原子炉の中でつくった蒸気をタービンに送り発電する「沸騰水型」で、事故を起こした福島第一原発と同じ型です。
 2012年1月に定期点検で運転を停止、東日本大震災を教訓に設けられた新規制基準に適合させるため、7年半にわたり審査が行われてきました。なぜここまで長期化したのか?その審査の柱は原発の地震対策にありました。
 島根原発の南側に位置し、東西に伸びる「宍道断層の長さ」の見直しです。宍道断層の全長は国の厳しい安全対策の観点で見直され、当初の22キロから東西に17キロ、39キロに延びたのです。

原子力規制委員:
 「基準地震動の策定については、大分長い間審議してきて紆余曲折あったが、今回でまとまった」
 これにより島根原発に与える地震の影響も見直し。確定したのは2018年でした。これを受け中国電力は、島根原発3基全体で当初1000億円だった安全対策費を6倍の約6000億円に見直しました。緊急時の対策所の設置や津波対策のために1.5キロメートルにも及ぶ防波壁を設置して安全対策を進めるなど時間を要したのです。そして23日・・・。

原子力規制委・更田委員長:
 「審査書案をこの通り取りまとめることを了承し、意見聴取を行うことを決定する」
 この新規制基準に基づく審査には、全国で9原発の16基が正式合格し、23日の福井・美浜原発も含めて10基が再稼働しています。
 一方、事故を起こした福島第一原発と同じ沸騰水型の合格は、今回の島根原発2号機を含めると5基目ですが、いずれも再稼働していません。では今後、島根原発2号機の再稼働にはどのような手続きがあるのか。今回のの事実上の合格を受けて、規制委が1か月間、一般から意見を募った上で審査書を正式決定。その後は地元自治体の再稼働同意が必要になります。島根原発は全国で唯一県庁所在地に立地する原発です。原発の30キロ圏内には46万人が暮らしており、再稼働に向け安全をどう確保し実現するか、慎重な議論が求められます。
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