[2023_11_01_04]川内原発2基 20年の運転期間延長 原子力規制委が認可(NHK2023年11月1日)
 
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川内原発2基 20年の運転期間延長 原子力規制委が認可

 16時44分
 運転開始から40年が迫る川内原子力発電所1号機と2号機について、原子力規制委員会は1日、九州電力が申請していた20年の運転期間延長を認可しました。
 川内原発は、1号機が来年7月に、2号機が再来年11月に、それぞれ運転開始から40年となるため、九州電力は去年、運転期間を20年延長し、60年まで運転する認可を原子力規制委員会に申請していました。
 1日に開かれた規制委員会の会合では、事務局の原子力規制庁から、九州電力が実施した、原子炉やコンクリート製の構造物などの劣化状況を調べる「特別点検」の結果や、今後20年間継続して使用できるとする評価結果について、基準に適合しているとする審査結果が示されました。
 これについて委員から異論は出されず、全会一致で運転期間の延長を認可しました。
 40年を超える運転は、これまでに全国で4基が認められていて、川内原発の2基をあわせて全国で6基になります。
 一方、原発の運転期間をめぐっては、ことし5月に実質的に60年を超える運転を可能とする法律が成立したのに伴い、10年を超えない期間ごとに認可を受け直す新たな制度が再来年6月に施行されることになっていて、川内原発1号機と2号機も、施行までに改めて認可を得る必要があります。
 川内原発1号機と2号機の運転期間の延長を認可したことについて、原子力規制委員会の山中伸介委員長は「高経年化による劣化についての新しい論点は特になかったと聞いているが、科学的・技術的な論点から慎重に審査して、本日認可することができた。運転延長の審査経験はかなり積んできていて、今回の審査に十分生かすことができたと思っている」と述べました。
 そのうえで、「地元との対話も大事だと認識しているので、依頼があればぜひ規制当局としての説明をしたい」と話していました。
 原子力規制委員会が川内原発の運転期間の延長を認可したことについて、薩摩川内市の田中市長は「認可は法令に則った『科学的・技術的な評価』と受け止めている。九州電力に対して、引き続き、安全な運転管理の徹底と市民への情報公開と丁寧な説明を求める」とするコメントを発表しました。
 川内原発の運転延長が認可されたことについて、地元の薩摩川内市ではさまざまな声が聞かれました。
 市中心部で買い物をしていた女性は「市の経済が回るので延長には賛成です。ただ、20年延長にあたって、市から広報などでちゃんと説明してほしいです」と話していました。
 また、別の女性は「率直に言って心配です。普通の住宅でも40年、50年は持たないなかで、安全性について確固たる保証を求めたいです」と話していました。
 川内原発をめぐる運転期間延長の認可について、原発に反対する薩摩川内市の市民団体「川内原発反対連絡協議会」の鳥原良子会長は「全会一致で認可されたのはちょっとショックです。原発事故がないとは言い切れないし、使用済み核燃料の処理の問題もあります。延長に対して民意を反映する場所がないと思います。原発が本当に安全なら、いちばん電気を使う都会につくるべきだと思います」と話していました。
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