[2023_06_15_03]川内原発運転延長 検証結果を住民に説明 薩摩川内市は要請書についての意見を議論 鹿児島(南日本新聞2023年6月15日)
 
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川内原発運転延長 検証結果を住民に説明 薩摩川内市は要請書についての意見を議論 鹿児島

 鹿児島県は14日夜、薩摩川内市で、住民説明会を開き、県の専門委員会の検証結果を説明しました。住民からは検証のあり方について批判の声も上がりました。
 住民説明会には、定員320人に対して市民ら133人が参加しました。来年と再来年に運転期限を迎える川内原発1・2号機の運転延長に関して、県の専門委員会は1年にわたって九電が行った特別点検や組織の運用体制などを検証し、先月、最終の報告書を塩田知事に提出しました。
 説明会には、専門委員会とその中の分科会で、それぞれ座長を務めた、鹿児島大学の地頭薗隆教授と京都大学の釜江克宏特任教授らが登壇しました。そして、九電が特別点検で原子炉などの劣化状況の評価を適正に行っていることなどを確認したとする一方で、さらなる安全性の向上に向けて体制の整備や、訓練の継続に留意すべきと提言したなどと説明しました。

(京都大 釜江克宏特任教授)「60年間運転しても、疲労によって問題になる可能性は低いと確認した」
 しかし、その後の質疑応答では住民らから厳しい意見も出されました。

(参加者)
 「どうも九州電力の報告を鵜呑みにしたような表現になっていることが非常に心配」
 「福島の事故を見てきているので、地震とか火山噴火、桜島の大正噴火並みの噴火が起こるかもしれないといわれている。なぜ別々にするのか?」

 終了後、住民らは・・・。
(参加者)
 「福島第一原発事故など起こさないように国・県・市でなんとか無事に進めてほしい」
 「専門的な言葉が多くて私には難かしかった」

 報告書をまとめたひとりで分科会座長を務めた、京都大・釜江克宏特任教授は。
(京都大 釜江克宏特任教授)「公開しているものは資料、議事録、委員とのやり取りも出ている、それらやパンフレット見てもらえると理解いただけるのでは」

 住民説明会を受け、薩摩川内市は15日、川内原発の運転延長の賛否についての判断材料を調査・研究する調査部会を開きました。
 県は報告書の検証結果を踏まえ、今後、原子力規制委員会や九電に要請書を提出する予定ですが、それを前に薩摩川内市を始め30キロ圏の9つの市と町にも意見を求めていて、15日はそれについての対応を議論しました。

(薩摩川内市未来政策部 古川英利部長)「(報告書は)どうしても科学的な話が中心になったと思っている。実際に我々が常に求めているのは安全に運転してもらい、万が一の事故がないようにというのは、ぶれることなく要請していきたい」

 県は九電と規制委に提出する要請書の案について、県民からの意見募集を15日から始めました。要請書案は県のホームページで公開しているほか、県庁や各地域振興局、原発から30キロ圏の9つの市と町の本庁などでも閲覧可能です。
 意見は県のホームページや閲覧場所にある提出用紙に記入のうえ、郵送かFAX、電子メールで受け付けています。募集期間は来月14日までです。
 県は提出された意見について個人情報を除いたうえで、公表する予定です。
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