[2022_02_04_05]川内原発で作業員の感染拡大 2週間で29人、出勤待機者も急増 九電「安全に影響ない」 新型コロナ(南日本新聞2022年2月4日)
 
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川内原発で作業員の感染拡大 2週間で29人、出勤待機者も急増 九電「安全に影響ない」 新型コロナ

 九州電力川内原発(薩摩川内市)で作業員の新型コロナウイルス感染が続発している。「電力の安定供給」のため、コロナ対策に力を入れてきたが、1月中旬から3日までの約2週間で29人が感染。出勤待機者も急増している。今月下旬には県内外から多数の作業員が派遣される定期検査と、原則40年の運転期間延長に必要な特別点検が2号機で予定され、九電は感染封じ込めに神経をとがらせている。
 川内原発は昨年末時点で社員約480人と請負会社の社員約1600人が業務に当たっている。1月19日、5カ月ぶりに1人の感染が分かり、その後3日までに九電社員1人と請負会社社員27人に拡大した。
 3日現在、感染者と接触者を合わせた約80人が出勤待機している。請負会社は工事の作業や管理業務を担当。九電は「運転業務に必要な人材は確保され、安全・安定運転に影響はない」と説明する。
 昨年までの感染者は6人で、クラスター(感染者集団)が2回発生した佐賀県の玄海原発と比べ抑えられていた。感染防止策に(1)県外からの新規入構者でワクチン未接種者へのPCR検査義務付け(2)業務上必要な部屋以外への立ち入り禁止−などを挙げる。
 今月下旬に始める2号機の定期検査と特別点検は予定通り実施する考えだが、作業に入ると人員は一気に増える。1月に終了した1号機の定検では通常時と比べて最大で約800人増員になった。
 川内原発の前川裕章・環境広報担当次長は「感染力の強いオミクロン株は生半可な対応では防げない」と危機感を募らせる。「県外から新たに派遣される作業員は、立ち入り前2週間の健康状態を確認する」と述べ、定検への影響がないよう対策を徹底する考えを示した。
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