[2023_12_21_02]次世代原発の燃料 「可能性探りたい」(東奥日報2023年12月21日)
 
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次世代原発の燃料 「可能性探りたい」

 日本原燃の増田尚宏社長は20日の記者会見で、連携へ向け覚書を締結した米核燃料関連企業セントラスエナジーが次世代型原発の核燃料として製造に着手した高純度低濃縮ウラン(HALEU)について、「われわれとしてどういうことができるのか可能性は探りたい」と述べた。
 高純度低濃縮ウランは従来の燃料より濃縮度が高く、炉の小型化が可能になる。一方でウラン濃縮の市場はロシアの存在感が大きく、高純度はロシア系企業の独占状態。米国などは生産体制の確立を急いでいる。
 原燃は今夏、ウラン濃縮工場(六ヶ所村)の生産運転を約6年ぶりに再開。8日にはセントラス社と「エネルギー安全保障に貢献するための協議開始」へ覚書を締結した。日米原子力協定では技術移転が認められていないため、「情報交換によって技術の維持や開発につながるヒントを得られれば」(増田社長)という。
 エネルギー安全保障の観点でロシア依存からの脱却に向け、「濃縮をどこで補えば良いかと議論になる時に、われわれもーつの選択肢として仕事ができる状況をつくれるか見極めたい」と増田社長。高純度低濃縮ウランの開発について「考えているものは全くない」とする一方、「原燃が存在価値を持つために必要かどうかを判断した上で決めていく」と含みを持たせた。
 (佐々木大輔)
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