[2023_11_29_02]六ヶ所沖トリチウム 「濃度全く問題なし」 むつ海洋シンポで報告(東奥日報2023年11月29日)
 
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六ヶ所沖トリチウム 「濃度全く問題なし」 むつ海洋シンポで報告

 むつ海洋・環境科学シンポジウムが28日、むつ市のプラザホテルむつで開かれた。日本海洋科学振興財団むつ海洋研究所海洋研究部の小藤久毅主任研究員が、六ヶ所村周辺の海水中トリチウム濃度の調査結果を報告し、「被ばく線量の観点で全く問題ない範囲」との.見解を示した。
 同研究所は県からの受託事業として、六ヶ所再処理工場の操業によって排出される放射性物質の海洋への影響について科学的理解を深めるため、同村沖合で約20年にわたって調査を実施。毎年、複数個所で海水を採取し、トリチウム濃などを調べている。
 再処理工場は2006〜08年にアクティブ試験(最終試運転)を行っており、07年度には年間1300兆ベクレルのトリチウムが放出された。小藤氏の報告によると、06〜08年は他の年に比べて1リットル当たりのトリチウム濃度が高く、07年11月には過去最大の42ベクレルを観測。09年以降は濃度が低下し、現在は0・1ベクレルほどとなっている。世界保健機関(WHO)が飲料水のトリチウム濃度基準としている1万ベクレルを大きく下回っていることなどから、小藤氏は「全く問題ない範囲内での変動」と結論づけた。
 シンポジウムは日本原子力研究開発機構青森研究開発センター(同市)などが主催。オンラインを含め約230人が参加し、小藤氏のほか、東京大学大気海洋研究所の藤井賢彦教授らが講演、研究報告を行った。
    (山内はるみ)
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